西塘 かさこワールド

・3日目:12/29(月)西塘

<1>ホテルの落とし穴
昨日、泊まったホテルに思わぬ落とし穴があった。
なんかとっても寒い部屋だなと思った。暖房はついているのに。 どこかから風がくる。
その原因はなんと窓にあった。窓がちゃんと閉まらないのである。
それを知っていてか、窓の内側にビニールシートがかぶせてある。

さすがに部屋を見た時、こんな欠陥には気づかなかったな。
部屋を変えてもらおうかとも思ったが、さらに悪い部屋になるような気もしたのでやめて、暖房を最強にして寝ることにした。

それはともかく、大通りから少し距離があるのでいくらか静かなホテルなのだが、やはり中国、である。
朝6時ぐらいから結構、外が騒がしくなり、目が覚める。
工事の音、車の音、生活音がさまざまな外から聞こえてくる。
こんな寒い朝っぱらから、まあなんて活動的なこと。
これぞ、中国である。朝はゆっくり寝てはいられない。

<2>パオズの朝

さてさて、中国旅行の大きな楽しみの1つ、朝食である。
例によって、町の食堂を探す。
ホテルのすぐ前にせいろから湯気が出ている店を発見し、入る。
いやー、うまそうだな!!!
せいろ1つでパオズ3元。 うんうん、最高ですな、この味は。

パオズ選びは店先で大きさを見て決めること。
大きいのはあんまりおいしくない傾向にあり、
小さくて数が多い方がおいしい傾向があると個人的には思っている。
パオズは大きいと注文の仕方は1つとか2つ。
この店のようにパオズが小さい場合は個数ではなく、せいろ1つまるごとの注文単位となる。
せいろ1つなんて1人で食べきれるかななんて思うけど、簡単にぺろっと入る。
パオズの朝食はほんとくせになりますよ。
ぜひホテルのありきたりの朝食でなく、町の食堂で朝食を!

<3>チェックアウト
8時頃ホテルに戻ってきて、引き払いの準備をする。
すると電話がかかってくる。
チェックアウトは12時までOKなのだが、とにかく朝早い中国人たち。
部屋の清掃を早く済ませたいというきっとそんな電話なのだろう。
中国語がわからないのでなんともいえないのだが、
「もうすぐ出ますからちょっと待っててください」と日本語でいって電話を切る。

荷物をまとめて部屋を出ると、ホテルの清掃員たちが待ち構えていた。
とにかく早く一斉にやってしまわないと気が済まないんだろうな。

今日は昨日、ある程度一回りしたとはいえ、もう一度、西塘観光する。
それが終わった後、次なる水郷村・周庄に向う予定。
とりあえずチェックアウトし、デポジット80元を返してもらう。
そんでもって荷物はホテルに預けておく。
これも言葉がわからなくても荷物を指差せば、物分りのいいホテルスタッフはすぐ理解してくれる。
荷物は中国語で「行李(シンリー)」。この単語は覚えておいたので、
「シンリー、シンリー」といってリュックを指差すと、
預かって欲しいんだなと素早く理解したスタッフが荷物を預かってくれる。
たいがい、宿泊者の場合は無料で預かってくれる。

<4>西塘観光
シータン観光する。水郷村の景色を眺めるだけでなく、
村内にあるみどころ(貴族の館、寺、博物館など)を見て回る。
村内のみどころ12ヶ所の入場料&水郷村の入村料のチケットで40元(600円)である。
(水郷村の景色を見るだけなら多分、チケットを買わなくてもばれないのだが)

水郷村のみやげ物屋にパンフレットを発見。
なんとそれには日本語の説明もある。
これは実にありがたい。地球の迷い方にはほとんどガイドらしき情報がないので。
カラー写真入り、日本語・英語・中国語でかかれた西塘水郷村パンフレットが30ページで8元(120円)。
これはなかなか便利であるので、ぜひ行ったら買うとよい。

12ヶ所全部見て回ったわけではないが、一番よかったのは「西園」という場所。
かつてこの地方の富豪の私邸が公開されている。
館内の展示物より、私邸の2階にあがれるので、
2階から水郷村を様子を見ることができるのが楽しかった。
あとの場所はそれほど印象に残っていない。

あと、観光の仕方は、水路を船で遊覧することだ。
「遊船中心」という船のチケット売場があり、
1船30分程度で80元(1200円)だ。
他に観光客がいれば人数分で割れるので安くなるのだが、
冬のせいか観光客が少ないので、2人で貸切となる。
水路から見る水郷村もなかなかの景色である。
動く乗り物に乗って町の様子を眺めるのはとても臨場感があってよい。

そんな風にして西塘観光をした。
あとは昼食を水路の見えるレストランでとり、シータン観光を終え、
次なる目的地・周庄に向うことになった。



<5>賢いホテルスタッフ
預けてあった荷物をとりにホテルに戻ると、僕らが姿が見えるとすぐ、
チェックインをしてくれた若い女の子が素早く荷物を出してくれる。
この女の子、とっても賢いし、機転がきくなと感心していた。

というのも、これは私の限られた個人的な中国旅行体験と、
社会主義国、中国国民性に対するある種の偏見かもしれないが、
このような機転がきくスタッフというのが中国では実に少ない。
サービス精神がないっていうか、笑顔がないっていうか、相手の立場にたって物を考えないっていうか。
なんでもかんでも「没有(メイヨー)=ない」と答える印象が、旅行者で強いのもそのためだ。

でも今回の旅行ではこのように機転がきく人々に結構出会えて、
ほとんど中国語がわからない僕らを非常によく助けてくれた。
そういった人が増えているのかもしれない。
それは社会主義を脱し、徐々に自由主義経済に移行しつつある中国の、「功」の部分なのかもしれない。

<6>周庄へ
さてさて問題はこの西塘から次なる水郷村・周庄へどうやっていくかであった。
水郷村は上海や蘇州からの日帰り客が多いので、
アクセスの起点が大都市になっており、僕らのように、水郷村から水郷村を移動する人は少ないのか、
西塘→周庄という交通路線はないのだ。

今回は非常に短い旅行期間しかないので、多少割高についても、
タクシーチャーターでいってしまっても構わないかなと思ったので、
気の効くこの女の子に「周庄に行きたいのでタクシーを呼んで欲しい」と筆談した。

ところがタクシーはないというのだ。
確かに町にそんなにタクシーを走っているのを見掛けない。
その代わり彼女は行き方を教えてくれた。

「西塘→嘉善→周庄」という経路を辿れということだった。
「嘉善」は西塘で仕入れた地図によると、周庄とは反対方向の南にあり、
上海から鉄道路線もあるわりに大きな都市らしい。
つまり、西塘から周庄という水郷村巡りをする経路はないが、
一端、大都市の拠点である嘉善まで出てから行った方が、距離は遠回りになるが、時間は早いというわけである。

西塘に到着した時に、どこか西塘から公共路線バスがないかと目を見張っていた私だが、
タクシーが到着した付近にこの「嘉善」行きバスが待機しているのを確認していたので、
その乗り場に行くことにした。