同里 かさこワールド

・4日目4:12/30(火)同里観光

<4>ホテル到着&昼食
思ったより長くかかった周庄→同里間の舟旅に疲れ、それよりなにより腹もへり、
ひとまずホテルを決めて、めしを食いにいこうと思う。
ちょうど車から降りたところに観光局のようなところがあり、
同里の地図を購入する。
そんなに街は広そうではないので、適当に歩きながら、
街の中心部で見つけたホテルにチェックインすることに。

あまり観光客がいないのか、立派な新しそうなホテルのわりに、
ホテル内は閑散としていた。
ホテルは1泊120元(約1800円)。1人当たり60元の計算である。
行けば行くほどホテルの値段が安くなっていくのがなんとなくうれしい。

ホテルがやっと決まり、重い荷物を降ろすと、早速めし探しの旅に出る。
パッケージツアーと違って、ホテルや食事する場所を決めていないので、自由に動ける反面、
疲れている時、自分で探すのはなかなか結構かったるいのだが、まあそれも旅の楽しみの1つだ。

昼時を過ぎたせいなのか、街が小さいせいなのか、
なかなかよいレストランを見つけられず、
てっとり早い、麺中心の店でラーメンを食べることに。
蚤炒飯(たまごチャーハン)5元(約70円)と雪菜肉面3.5元(約60円)を注文。
いやほんと中国って、何食ってもうまいし安くていいな。

食べる楽しみがある国って元気がでるし旅の楽しさも倍増だ。

※そう考えるとアメリカのような国の旅は地獄だったな。
(高い金を出せばいくらでも高級料理はあるが、
安い定食屋のようなものがない)

<5>なんと世界遺産がある
さてめしを食べると早速観光である。
観光は例のごとく、水郷村共通チケットを買う。
同里は世界遺産の庭園入園料含め、
50元(750円)と比較的安い料金だ。
驚くなかれ、この小さな水郷村・同里には世界遺産がある。
19世紀に建設された庭園で「退思園」という。街の中心にある。

“世界遺産”が旅をする1つの大きな基準となりつつあり、
世界遺産かそうでないかで旅の候補地を決めるような、
ある種の旅のスタンダードとなりつつあるが、
世界遺産は一般旅行者が旅する候補地を選ぶ基準とはまったく違っていて、
正直あまりあてにしない方がいいというのが僕の感想だ。


ここの世界遺産もしかりで、そんなにたいしたことはない。
小さな庭園だし、そりゃきれいだけど、この庭園について詳しい知識がない人間がみても、あっと驚くようなものではない。
ただ僕のように、ここが世界遺産だから訪れたのではなく、水郷村を見たくって、
そのついでにラッキーなことに世界遺産に指定されている庭園があるというスタンスなら、それはそれで楽しめると思う。

でもここはすっかり地元の老人たちの憩いの場となっているようで、
庭園内のあちこちで、くつろぐ老人たちの姿が見られる。
上海に大挙として押し寄せる日本人観光客がいても、この同里にはほとんどいない。
ただ「世界遺産」というせいか、また蘇州からのアクセスがそれなりに便利なせいか、
ビデオカメラを持った外国人旅行者がいて、かなり熱心にビデオにこの庭園を収めている姿も見受けられた。

<6>ビデオカメラ投入!
ちなみにビデオカメラで思い出したが、今回、妻がビデオカメラを購入し、ビデオカメラでの撮影も行った。
私はデジカメオンリーで、ビデオカメラの撮影はしなかったが、あとで家に帰ってみるとなかなかこれがすごい。

カメラでは収めることができない音が入ること、
(中国人の会話や車の音や生活音、ラーメンをすする音などが見事に入る)
風景を切り取ってしまう写真とは違い、
ある程度、周囲の風景と時間の経過をあわせた「流れ」を撮れることなど、なかなかすごいものである。

まあ僕自身はビデオカメラに移行する気は毛頭なく、
あくまで自分の肌で感じたことを文章と、それの補助手段としての写真での表現になるだろうが、
ビデオカメラという映像もなかなか捨てたもんじゃないなと思った。

<7>ヘドロ水郷?
さてさて、退思園を観光し終えると、水郷村観光に出向く。
同里は街がすごく小さく、商店が集まる新しい街並みと、
古い水郷村の街並みがすぐ近くにあり、
ちょうど街の中心のこの退思園を境に分かれているといった感じだ。
退思園を出るとすぐ水郷村の風景に出くわす。

水郷村の水路に何やら人が集まっている。
何か観光的イベントでも開かれているのかと思いきや、
なんとこれまあ、驚くなかれ、
水郷村の水路のヘドロ掃除?!をしているのだ。

生活排水や生活用水として使われている水郷村の水路は、
決してきれいとは言い難いのだが、

露骨にこのような形で、水路のヘドロほじくり作業を、まざまざと見せつけられると、
これはなんというかとてつもない汚さだなあと思う。

でもね、だからといって水郷村の価値が下がるわけじゃないと僕は思う。
別に水がきれいなことをウリにしているわけではなく、
むしろ生活と密着した水郷村的生活感が魅力なのだから、まあ水路をほじればヘドロぐらい出てくるだろう。
とはいいながらも、これは結構すごいな・・・。

さすが、中国。
住人も物珍しいのかみんな集まってみている姿もまた、
観光地化されていない水郷村の一面としてなかなか一興である。

ヘドロ掃除をしているせいか、どこにいっても水路には、
その残骸が浮きあがっていて、
同里の水路で舟に乗ることはやめたのだが、
舟に乗っている中国人観光客もいて、
さすがは中国人と思った次第である。




<8>同里観光
退思園以外に共通チケットで見ることができる、
旧貴族の館など5箇所があったが、
時間が遅いせいか、閉まっていて、
そういったところを見ることもなく、
ぶらぶらと水郷村を歩くだけだった。

ここは訪れた水郷村の中でも最も観光地化されていない雰囲気が残っていて、
観光地というより地元の住宅街を歩いているような錯覚にとらわれる。
他の水郷村よりも小さいこともあり、あっという間に一周してしまう。
ここにも水郷村には似つかわしくない上品そうな猫がいて、
僕を楽しませてくれた。

街の中心部には明清街という、
古い街並みが狭い通りに集まったところがあり、
みやげもの屋やレストランが集まっていて、
ここもなかなか歩いていて楽しいが、
観光地化がそんなに進んでいないせいかのか、
冬という時期もあるせいか、
早い時間にほとんどの店が閉めてしまっていた。

とりたてて大きな名所があるわけではないが、
生活感という意味ではなかなかよい水郷村だ。
ただ西塘や周庄なら泊まりたいが、
ここは泊まらなくても、日帰りでもいいかもしれない。
といっても日帰りするとなると蘇州になるのだが、明日、蘇州にいって気づくのだが、
蘇州は上海よりさらに空気が悪くごみごみしていて、
できれば泊まりたくない場所なので、蘇州に泊まるぐらいなら同里に泊まった方がはるかにマシだが。

<9>お茶でいっぷく&夕食

観光の合間に水郷村の中で水路を眺めながら茶館でいっぷく。
お茶といっしょに茶菓子が出される。
中国ならではのひまわりの種だが、どうも日本人にはおいしく食べるというのは難しいかなあ。

お茶もさることながら、コーヒー好きの僕は、コーヒーが飲みたくて仕方がない。
中国の大都市ならともかく小さな街にはコーヒーを飲めるところは皆無といっていいのだが、
この同里には1階がケーキ屋で2階がカフェになっているお店があって、
そこで1杯5元のコーヒーを飲んだがなかなかうまかった。

夕食は典型的な中国レストランへ。
チャーハン、チンジャオロース、スープ、そんでもって水餃子を頼んで、46元(約700円)※2人前。
いつもよりちょっと高めだったが、うまかった。