SUPERMARKET FANTASY(2008.12.9) ミスチルトップ かさこワールド

2008年12月9日 幸福感に貫かれたアルバム!
ミスチルニューアルバム「SUPERMARKET FANTASY」ついに発売!
「幸福感に貫かれたアルバム」

全14曲聴いてそう思いました。

どの曲にも幸せやわくわくするような楽しさが、
目一杯込められたアルバムです。

とにかくすごいアルバムです!
全部シングルにしたっていいぐらい、
1曲1曲がすごいんです。
誰からどれを聴こうか迷ってしまうんです!

大抵、新しいアルバムって、
ざっと聴いて、まず気に入った曲が何曲かあって、
その2〜3曲を何度もリピートして聴いて、
そのうち他のアルバムっぽい曲も聴いてみようかなとか、
したりもするんですけど、
このアルバムにはそういう感覚がない。
どれも何度も聴きたい!
そんな曲ばかりなんです。

特に頭から聴いていると、
1〜6曲目まではすべてシングルみたいな感じで、
息つく暇もなく、聴き入ってしまう。

7曲目「口がすべって」8曲目「水上バス」で、
ほっと一息、アルバムっぽい曲で、一休みできるんですけど、
9曲目「東京」10曲目「ロックンロール」が、
これがまたシングルにしてもいいんじゃないかっていうぐらい、
すごくいい曲でエンジンが入り、
後半曲群が一挙にまた展開していく感じ。

また先行シングルが多いアルバムにもかかわらず、
(「HANABI」「旅立ちの唄」「GIFT」「花の匂い」)
それがこのアルバムにすごい馴染んでいて、
アルバム曲順で聴いていくと、
また今までとは違った魅力を発見できるっていうか、
あらためてすごいいい曲だな〜と再認識させられる。

前作「HOME」って異性の親友みたいなアルバム。
なんというかすごい優しいから、
悩み事とかいつでも相談できるほど、
かけがえのない存在なんだけど、
彼氏(彼女)には絶対にならないみたいな(笑)。

今回の「SUPERMARKET FANTASY」って、
「HOME」の優しさをもっと発展させて、
幸福感を過剰なまでにちりばめて、
優しいけど力強いみたいな、
彼氏(彼女)にしたい存在みたいな感じ。

曲はシンプルだからすごく聴きやすいんだけど、
でもそこに過剰な手心が加えられているから、
わくわくするというか。

最近の世の中、事件でも経済でも、
すごく暗いニュースが多い中で、
この「SUPERMARKET FANTASY」のような、
幸福感に満ち満ちたアルバムっていうのが、
何よりも必要とされていたんじゃないか。
それを見事に曲にして、このタイミングでリリースした、
ミスチルの時代感覚を捉える嗅覚の鋭さを、
改めて感じさせられたというか。

聴いていてとっても心に残り、
幸せと楽しさと力強さを与えてくれる、
人生のパートナー的アルバムだと思いました!

ぜひ多くの人に聴いてほしいなと思います!!




2008年11月1日1 アルバム収録曲発表されました!



ミスチルニューアルバム、12/10発売「SUPERMARKET FANTASY」の収録曲が、
ホームページで発表されました!

1:終末のコンフィデンスソング
2:HANABI
3:エソラ
4:声
5:少年
6:旅立ちの唄
7:口がすべって
8:水上バス
9:東京
10:ロックンロール
11:羊、吠える
12:風と星とメビウスの輪
13:GIFT
14:花の匂い

曲名見ただけで楽しみですね!!!




2008年10月20日 桜井和寿インタビュー記事解説
音楽雑誌「MUSICA」10月発売号に、
ミスチル桜井和寿インタビューが載っていましたが、
みなさん、もうチェックしましたでしょうか?
久々に読み応えのあるインタビュー記事で、
ミスチルファンにはたまらない内容となっておりました。
ざっとですが、その内容をかさこ風に紹介します。

「HOME」が「防御こそ最大の攻撃」的アルバムとするなら、
「SUPERMARKET FANTASY」は「攻撃は最大の防御」的アルバムだ。
インタビュー記事を読み終え、
私はそんな風に「SUPERMARKET FANTASY」を捉えた。

「SUPERMARKET FANTASY」=「スーパーマーケット・ファンタジー」。
10/1にアルバムタイトルが発表され、
多くのファンがこのタイトルに度肝を抜かれたのではないか。
なんともすごいタイトル!
このタイトルを聞いて、きっと多くのファンが、
タイトルの意図するところは何かを知りたいのではないか。

ラスベガスのように、
徹底的に過剰なサービスを
必死になって作ったアルバム。
さりげなく伝えてそれをわかってくれる
誰かがいるみたいなものじゃなくて。

なるほど、それでスーパーマーケットなのかと納得する。
バラエティに富んだ品揃えを惜しげもなく客に見せつける、
現代の豊かな物質社会の象徴としてのスーパーマーケット。
大量消費社会の象徴ともいえるスーパーマーケットを、
皮肉としてタイトルに使っているのではなく、
それを肯定的に使っているのがミソだ。

音楽は聞き手に消費されることが宿命。
消費されるものが全部悪いわけではない。
今回は消費されるっていうことを
凄くポジティブに受け止めたアルバムです。

音楽界の大量消費社会のいわば頂点に君臨し続ける、
ミスチル桜井さんはその豊かさへの恩返し・奉仕的な意味合いから、
apbankの活動をはじめた。
それは売れて金銭的に裕福になったことへの、
ある種の後ろめたさ・罪滅ぼし的匂いが色濃かった。

しかし活動を続けていくうちに、
そうした後向きな気持ちが桜井さんのなかで薄れていき、
環境問題を世に発してやろうという気負いもなく、
時代や社会の変化の中で、
音楽を楽しむこと、今を楽しむこと、自分が楽しむこと、
それが一番大事じゃないかってことに気づいていく。

環境問題っていうのが、突き詰めれば突き詰めるほど
わからなくなってるんですよね。
そもそも本当にCO2が地球を温暖化させてるのか?
っていうことまでさかのぼってわけわかんなくなったり。
人間にとって都合の悪い状況とか環境、気候になると、
「異常」っていうことで片づけて。
だから「異常だ」とか「地球は今おかしくなってる」とか
言うのが、もの凄く嫌になってきちゃって(笑)

別に桜井さんが環境問題がどうでもよくなって、
今の消費社会を享楽的に生きていこうって、
そういう感じでもなさそうだ。
それは小林武史が最近よく口にしている、
「環境と欲望」の関係を想起させる。
「欲望を抑えるのがいいってことではないんじゃないか」
「欲望を抑えようとするだけでは環境問題は解決できない」

2008年のapbankフェスとかを見ればわかると思うけど、
桜井さんは環境至上主義から一歩踏み出して、
環境と欲望の折り合いみたいなものをどこでつけるかみたいな、
そういう段階へと移っているのではないか。
それが音楽に対する禁欲的な姿勢から、
ラスベガスのように、スーパーマーケットのように、
音楽も1つの消費商品として過剰なサービスしようじゃないかっていう、
ある意味では「欲望のかたまり」へと転化したのではないか。
それが音楽に対するポジティブな姿勢に変化したんだと思う。

そしてもう1つ、さすが時代の空気を捉えているなと思ったのは、
「さりげなく伝えてそれをわかってくれる
誰かがいるみたいなものじゃなくて」
というコメントだ。

最近「さりげなく伝えてそれを理解しろ」
みたいなものが増えたような気がする。
それがすべてが悪いとは言わないけど、
コミュニケーションを放棄しているというか、
自分の主張がわからない相手が悪いみたいな、
無責任的なコミュニケーションや表現が多い気がする。

そういう“さりげないことのカッコよさ”みたいな、
おかしな勘違いに対して物申すというか、
「リスナーとして生活してる時に人の音楽を聴いて
『うわ、なんだ退屈な音楽だな』って
思っちゃったりすることも確実にある」
みたいな状況に物申すというか。

さりげなく伝えてもわからないこともある。
だから自分たちの音楽を過剰なぐらい、きっちり伝えていこう。
別にそれで嫌われてもいいからみらいな、
表現者としてのいい意味での開き直りみたいなものが、
すごくインタビューの内容から感じ取れる。

それを桜井さんは、
「ゴン中山(ジュビロ磐田)みたいな
ミュージシャンになりたいなと思った」
と表現している。

泥臭くてもいい。失敗してもいい。うまくなくてもいい。
自分は攻撃選手として何が何でもゴールを狙うんだって姿勢を、
剥き出しにする。
ミスチルが「HOME」という守るべき家みたいな“防御”的スタンスから、
“攻撃する”という姿勢を誰にでもわかるように見せたのが、
きっと「SUPERMARKET FANTASY」なんだろう。

だからミスチルはポップザウルス=大衆音楽の王様に、
君臨し続けられるのではないか。
もちろん彼らがそうした地位をめざしているわけではなく、
より多くの人に音楽を伝えるにはどうしたらいいかということを、
常に考え、模索し、時代と自分たちの変化とともに、
音楽をうまく“変えて”きたからこそ、
ミスチルファンは今も増え続けるという、
快挙を成し遂げているのだと思う。

こうしたニューアルバムの着想を、
桜井さんはサッカーから得たものが多いと言っている。

インタビューにこんなエピソードが載っていた。
夏フェスなどで他のアーティストと会う機会があるが、
アーティスト同士、なかなかうまくコミュニケーションできない。
ましてミスチル桜井さんである。
相手が遠慮したりすることも十分考えられる。

ところがサッカーによって、
あっという間にコミュニケーションが成り立って、
仲良くなれるという話が書いてあった。

だからコミュニケーションとしての音楽も、
さりげない音楽で誰かが理解してくれるのを待つのではなく、
自分からこっちへおいでよと声をかけるような、
オープンなアルバムにしたかったという結論に、行き着くのだろう。

コミュニケーションというのは、
別に言葉である必要はない。
スポーツでもいいし、音楽でもいいし、
こうした日記やブログみたいなものでもいいし、
表情やアイコンタクトだっていい。

ミスチル桜井さんが感じ取った時代の位相。
それは誰かにわかってもらえるのを待つことじゃなく、
自分からオープンになって積極的に社会や人に語りかけていこう、
ってことじゃないのか。

そんな想いがつまった「SUPERMARKET FANTASY」。
今から発売が楽しみだ。