ミスチル名詞集 ミスチルトップ かさこワールド

ミスターチルドレンの大きな魅力となっているのが、桜井君が書く歌詞だ。
人間の矛盾や欲望を赤裸々までに描き、社会への批判をユニークなアイロニーで描く。
この独特の歌詞世界の中でも、特に印象深いものを列記しよう。
ミスチルの歌詞を読めば、社会が見える。人間がわかる。


誰だってしんどい集団で牛丼食べて孤独な思いを消してんだ(旅人)

非常にユニークな表現。確かに言われてみれば、
最近当たり前にどこでもある松屋や吉野家で、一人めしを食う光景を思い浮かべると、
現代社会の時間のなさだとか、一人一人が孤立して飯を食うのが当たり前となってしまった、
人間関係希薄化社会であることがわかるだろう。

今夜も一人lonely play(DanceDanceDance)

ミスチルというとかっこいいイメージがあるかもしれないが、
マスターベーションをこのような表現でうまいこと歌い上げる姿は、素晴らしいという言葉以外ない。

何時間眠っても疲れはとれないし(Everything is made from a dream)

きっと誰もがこんな経験あるんではないだろうか。
現代人の「疲れ」ってきっと肉体的なもんじゃなく、
すごく精神的なものが多いから、寝ても疲れが取れないんだろうな。

子供の頃に夢中で探してたものがほら今目の前で手を広げている(口笛)

大人になっていろんなことができるようになって、
自分の意志さえあれば子供の頃に夢見たことが実現できる道が開けているのに、臆病になって踏み出せない。
そんな人たちに、目の前を見てごらんって優しく歌うこの歌詞は、すごく勇気づけられる。

誰を信用して何に奮闘してこの先歩けばいい?(光の射す方へ)

この問いにまともに答えられる人っているんだろうか。
現代人の悩みをついた歌詞だ。

"高価い物がいいもん"の理論 叩き込まれて僕らは不敵(アンダーシャツ)
現代の価値観を如実に表した歌詞。
誰もが値段でしか物の価値を図れなくなっている末期的症状を端的に歌っている。

愛だ恋だとぬかしたって所詮は僕らアニマルなんです(ニシエヒガシエ)
恋愛なんてドラマティックなものじゃなくて、
根本的には生物としての種の保存のための生理的欲求でしかないってことだ。

いつも心にしてたアイマスクを外してやれればいい(I'll be)
心にしみわたるこの言葉。
誰もが知らぬ間に、自分で自分の心に鍵をかけてしまっている。
そんなの外してしまえばいいって言われると、
すっと肩の力が抜けて、自分の心が解放されていくような、そんな歌詞だ。

旅立とう明日は無いぞってな具合に(I'll be)

メメント・モリ〜死を想え〜
人間は死を想ったとき、はじめて自分のやりたいことがわかる
それと同意味で使われているのがこの「明日は無いぞ」ってことだろう。
明日がないと思えば、本当に自分のやりたいことに向って突き進んでいける。

明日を生きる子供に何をあたえりゃいい?(ラララ)
大人っていうのは子供に見られていると思うと、バカなことはできなくなる。
それと同じで、子供のために何ができるかって考えて生きていけば、社会はこんなにも悪くはならないだろう。

どこかに自分を必要としてる人がいる(終わりなき旅)

ふと何もかもがバカらしくなって、人生が無意味に思えたりする時もあるけれど、
この歌詞を口ずさむと、まだまだ死ねないななって思ったりもする。
こんなくさい詩のどこかいいのかっていう人がいるかもしれないが、
そんな人は、この歌詞が必要ないほど生きることに前向きかもしくは何も考えていないんだろうな。
人生がバカらしくなって死を考えたことのある人間なら、この歌詞の意味がよくわかるだろう。