アジア90日間旅行
  
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・11日目 ウランバートル(モンゴル)(1999年8月11日)
ずうっと朝から窓からは草原しか見えない。
モンゴル人家族の子供と遊んで車内の時間を過ごす。
北京から列車に乗ること約30時間後、14:00モンゴル・ウランバートル到着。
駅前のホテルに決めたものの、モンゴルのお金に両替していないので、あわてて銀行に行く。
やっと見つけた銀行で無事両替を済ますと、銀行員の青年から呼び止められる。
銀行員が日本語を教えてくれということで、臨時日本語教師となる。
日本人が結構この銀行に両替に来るからだという。
銀行で使う英語ぐらいだったら、日本人にもわかると僕は言ったが、
彼いわく、日本人には英語は通じない。
それにしてもモンゴルの一青年が英語を話せるだけでなく、日本語まで学ぼうという姿勢に驚かされた。
日本語を教えたお礼にと、明日行くカラコルム行きのバスチケットの取り方を教えてくれた。
モンゴルに到着し、ウランバートルの町を歩いた感想は、ウランバートルは一国の首都というより、ロシアの地方都市のような感じだった。
本当に小さい町だ。でもそれがモンゴルの魅力のように思えた。

・12日目 カラコルム(モンゴル)(1999年8月12日)
朝8:00、ウランバートル出発。モンゴル帝国の首都カラコルム行きのローカルバスに乗る。
バスといっても韓国製の中古ワゴンで、12人乗りの定員のところに、17人乗る。
きついなんてもんじゃない。外国人はもちろん僕一人。
ひたすら草原を走ること10時間、カラコルム到着。
かつての面影はなく小さな寂れた村といった感じ。
レストランに行ってコーヒーを飲んだら、サービスにケチャップライスをくれた。
親切な店だが、僕以外に客が入っている様子はない。
レストランの帰り道、白馬にまたがった青年に声を掛けられ馬に乗った。
村に一軒しかないホテルに客は僕だけだった。
何もない草原の村での一夜は過ぎていく。

・13日目 カラコルム(モンゴル)(1999年8月13日)
カラコルム観光。
エルデニ・ゾーという仏教遺跡を訪れる。
草原の中にお寺があるのは不思議な光景だった。
モンゴルの草原の真ん中に、日本のような古寺やタイのバンコクにあるような寺、
それからチベット寺みたいなものや、ネパールにあるストゥーパ(仏塔)のようなものと、
アジアのいろいろな寺があるのに驚いた。
遺跡の入口にある店でみやげものを買った。
モンゴル通貨で払ったら、おつりはドルで返ってきた。
アメリカ・ドルの世界的流通性には驚かせられる。
  
昨日のレストランに行って絵はがきを書く。
ケチャップライスにインスタントコーヒーを頼む。
写真を撮って欲しいというので、喜んで撮った。娘と母の2人でやっているレストランらしい。
何もない草原の村ですることは何もなかった。草原に寝転がってただ空を眺めた。
きっとこんなことがしたくて旅に出てきたのだろうと思う。

・14日目 ウランバートル(モンゴル)(1999年8月14日)
カラコルムですることがなくなってしまったので、ウランバートルに帰ることにする。
ウランバートル行きのバスはなんと来た時の運転手と同じだった。
「ジャポン!ジャポン!」と僕のことを覚えてくれていた。
再び草原を10時間走り続ける。
ウランバートルに帰ってきて前と同じホテルに泊まると、
「ミスター・サイタマ」と言って喜んでくれた。
パスポートの本籍地を名前と間違えているようだった。
さあ、いつ中国に戻ろうか。

・15日目 ウランバートル(モンゴル)(1999年8月15日)
北京に戻るため列車の手配をしようと、日本にもある旅行会社を訪れるが、
「列車も飛行機も北京行きは8月一杯は売りきれた」という。
そんなバカな話があってたまるか。
別の旅行会社へ行ったら列車は取りにくいことは間違いないらしい。
飛行機なら直接、航空会社のオフィスに行けと言われた。
どうしようか。日曜なので今日は航空会社のオフィスは閉まっている。
なんで列車で帰れないんだ。

途方に暮れ、町中を歩いていると団地の中庭でバスケットボールをやっていた。
近づいていって一緒に交ぜてもらってバスケをした。
モンゴル人と、夏の夜遅くなるまで遊んだのはとても楽しかった。
そういえば何年か前にトルコに旅行した時、公園でバスケットボールに同じように入れてもらったなあと思い出す。
あの時も夏の夕方だったな。

・16日目 ウランバートル(モンゴル)(1999年8月16日)
列車は週2本しかなく取りにくいことは間違いないらしいので、
飛行機で北京に帰ることにする。
航空会社のオフィスに行くと「北京行きは満杯だ」とはじめは言われたが、
明日で1席だけならどうにかしてあげるということになった。助かった。

昼に「タケちゃんラーメン」という日本食ラーメン屋に行ったら、
たまたま年に2回ぐらいしかいないオーナー夫妻が来ていた。
そこに来ていた日本人のボランティアと、現地で働く日本人カメラマンと
オーナー夫妻と僕で、環境問題や日本の社会の問題について話し合った。
「石油がもし枯渇したら先進国は滅びるだろう。世界で一番困らない国はきっとモンゴルだろう。みんな草原で生活してけるのだから。」
とオーナーが言っていたのが印象的だった。
ラーメンをご馳走になり、いろんな話を聞かせてくれたので、お礼に「エジプト旅行記」をあげた。
モンゴル最後の日に良い思い出ができた。