中国旅行術 かさこワールド

中国を旅行するにはコツがいります。
中国旅行術&中国雑学ネタをご紹介します。

・2005年5月21日 中国旅行術1:おみやげはスーパーで買え!
私はこれまで何度となく中国を旅行しているが、
中国ならではのおみやげを買うなら絶対にスーパーがおすすめだ。

観光名所や空港のおみやげ店は概して高い。
中国の物価水準ではなく日本の物価水準になっている。
ようは金を持っているところからぶんどろうと、そういうわけだ。
でも別にだからといって質がいいわけではないので、
自分がどうしても欲しいものならともかくも、
付き合い上、必要なバラマキみやげを買うにはふさわしくない。

そこでおすすめしたいのがスーパーだ。
スーパーって生活者が利用するようなスーパーですよ。
ここにおみやげに最適な、バラマキ用になるようなお菓子とかお茶とかが売っていて、
これが実にやすい。
中国ならではって感じもするし、種類も多いし、夜遅くまでやっているので、
おみやげ選びに最適なのだ。

というわけで、今回、私が会社用に買ったおみやげ。
雲南省のお菓子が18種類入ったこのセットがなんと12元=約180円だ!
これと似たようなものを観光名所や空港で買ったりなんかりしたら、
途端に500円とか1000円とかぼったくられる。

スーパーにはこの他にも雲南名物お菓子セットがいっぱいあって、
だいたい10〜20元ぐらい。
もし中国旅行にいっておみやげを買うならスーパーに行こう。

ちなみに中国酒をおみやげに買ってきてくれという人も多いと思うが、
これもスーパーに売っていてかなり安い。
たとえば桂花陳酒750mlのビンがたったの8元=約120円である。

スーパー利用で気をつけたいのは、中国のスーパーの場合、
結構多いのが、大きなリュックとかバックとかを持っていると、
入口で預けなければならないということだ。
万引き防止のためなのだろうが、
入口で呼び止められると何がなんだかはじめはわからないだろうけど、
大概は、荷物を預けていけという指示だと思っていい。

ただし荷物の保管方法がいい加減だから、
それが他の人に盗まれてしまう可能性もあるので、
くれぐれも貴重品はいれないように。

←写真:スーパー入口の荷物預かり所

それとスーパーは中国語で「超市」。この漢字の看板を探すとよいだろう。

<大理のスーパーで売っていた中国の物の値段>
ミネラルウォーター550ml:0.9元=15円
オレンジジュース1.5lペットボトル:4.5元=68円
大理ビール350ml:3.3元=50円
桂花陳酒750ml:8元=120円

りんご1個:3元=45円
瓶入りジャム:2.5元=38円
カップラーメン::2.5元=38円
醤油300ml:2.8元=42円
米5kg:15.5元=230円

トイレットペーパー10ロール:9.9元=150円
歯磨き粉:3.5元=52円
歯ブラシ:1.8元=27円
シャンプー1kg:13.5元=200円

靴下:3.5元=52円
パンツ2枚:16元=240円
サンダル:11元=165円
タオル:4.5元=67円
枕:18元=270円

ご飯の椀:4元=60円
皿:8元=120円
水筒:4元=60円
フライパン:16元=240円
やかん:40元=600円
炊飯器:115元=1700円
扇風機:105元=1580円

・中国のポスター写真

・中国旅行雑学
<トイレ>
「中国へ行く」といって真っ先に想像するのがトイレである。
「中国のトイレは汚い」「仕切りがない丸見えトイレだ」ということで、
それだけで中国旅行を嫌がる人は多い。
しかし、左の写真のような仕切りのない丸見えトイレは、
日本人がいくようなところにはほぼ皆無に等しく、
きれいとは言い難くても、仕切りがついているトイレが多いし、
上海などの大都市では極めてきれいなトイレがたくさん増えている。

今回、私は大理近郊の村にいったので、
いわゆる中国の旧式トイレを目にする機会が多く、
写真を撮ってきたけど、
観光名所や大都市ではだいぶ減ってきたということを明言しておきたい。



<タクシー>
中国のタクシーに乗ると、こんな妙なものがついている。
運転席に仕切りがあるのだ。
仕切りのないいわゆる普通のタクシーもあるが、
比較的仕切りありタクシーに出くわす可能性が高い。

狭い車内で仕切りがあるとすごく圧迫感があるし、
何より精算時の金のやりとりを天井から札を渡せねばならないという、
不便さもあって、なかなか使い勝手が悪いのだが、
日本人には珍しいので乗ってみるといいだろう。

仕切りがあるゆえんはやっぱり防犯上の理由なのかな。
日本に比べればもちろんタクシー料金は安く、
初乗り100円ぐらいだけど、
たとえば空港から市内まで車で1時間ぐらいかかったりすると、
空港バスなら10元(150円)でいけるところ、
100元(1500円)ぐらいかかったりするから、
中国の物価水準から考えると、大変大金を扱っている商売にはなるからな。


<反日教育>
2005年4月に反日デモが中国各地で巻き起こり、大変な騒ぎになった。
しかし心配されていたGW中の5月4日(五四運動)時には、
政府の圧政によってか大きなデモは起こらなかったようだ。

しかししかし!
メンツ重視のこの国家が黙って見過ごすはずはない。
5月4日、なんと朝のニュースで、
「勝利60周年記念」と題し、
日本が1941年〜1945年まで戦争に負けていく映像を、
5分以上流していた。

普通のニュース番組中ですよ。
ちょっとびっくりした。そのあまりの突然さに。
しかし中国で反日は欠かすことのできない、
政府の民衆コントロール支配の道具なのだ。
反政府にならないよう、反日という敵をつくることで、自国の団結を図る。

どれだけ素晴らしい経済成長をとげていても、
所詮、中国は政治的には未だに不自由な圧政国家なのだなということを、思い知る出来事だった。


<設置電話と携帯電話>
資本主義の不均等発展によって、この世界にはおかしなことが起こる。
中国では設置電話より携帯電話の普及率の方が、
はるかに高いと思われるのもその一例だ。
中国の町を歩いているとあちこちに「IP電話」なる看板があり、
旅行者としては「インターネットカフェかな」と期待するが、そうではない。
電話屋さんなのだ。
中には電話が何台も並んでいて、市内いくらとか長距離いくらとか書いてある。
結構、利用している人も多く、これを見る限り、
中国の一般家庭に設置電話はまだまだ普及していないのではないか。

それともう1つ、設置電話が普及する前に、
携帯電話なる便利なものが登場したので、
みんな設置をすっとばして、携帯を持つわけである。
町では携帯電話を持っている人は日本並によく見掛ける。

このようにして資本主義の不均等発展は、
1つ1つ、技術の進歩にあわせて道具を変えていく、
本来の発展段階をすっとばして、
一挙に進化した道具を手に入れて使う可能性がある。
これは人間にとってはきっと不幸な結果しか生まないのではないか。

人間と機器のギャップが大きすぎると精神分裂やストレスを起こしかねない。
まさにこれが明治時代の日本で、
いきなり開国していろんな文明機器が入ってきて、
それを夏目漱石が「皮相、上滑りの開化」と呼んだように、
道具と人間のギャップがもたらす精神的病の大きさは計り知れない。

中国も今まさにその状態といえるのではないか。

<麻雀よりトランプ>

中国のゲームといえば麻雀を思いつく方も多いと思うし、
現に街角で麻雀をやっている人を見かけることは多いのだが、
それより何より圧倒的に多いのがトランプである。
結構あちこちで働いている合間の暇つぶしに、
仕事そっちのけで、かなり白熱した様子でトランプに興じている人を多く見かけるだろう。

中には金を賭けているのか、ただならぬ雰囲気が漂っている場合もあるが、
まあそこまでしている人は少なく、
多少の賭けをしているかもしれないが、それより何よりも、
ヒマなのをいいことに、トランプが楽しくて楽しくて仕方がないといった様子の人が多いので、
そんなお国柄なんだということを頭に入れいれおいても損はないだろう。
日本ではトランプを楽しくやっている社会人というのを見かけることはまずないので、
そういう意味ではすごい新鮮な雰囲気だし、そういうことでささやかな「幸せ」を感じられる、
行過ぎていない経済システムのおかげなのか、心の豊かさを感じる場面でもある。

・大理食べ物指南
大理名物料理レストランは大理古城にたくさんある。
だいたい左の写真のような店構えである。
まず店先に野菜をはじめとして魚などばばっと並んでいる。
そんでもって看板メニューがある。
ムチャクチャ高い店はまずないといっていいので、
適当に店に入っても値段の心配はない。

名物料理の代表は看板にでかでかと掲げられた「砂鍋魚」をはじめとし、
大理にある大きな湖で獲れた魚料理が中心だ。
それ以外は日本人にも馴染みのある中華料理メニューだ。

魚料理は内陸の地にあって貴重なのか、名物だからなのか、
わりに高く1品15〜20元(220〜300円)ぐらいする。
その他の一般的な中華料理はだいたい1品10元(150円)ぐらい。
ビールは瓶で頼んでも5元(75円)ぐらいなもんだから、
たらふく贅沢に食べてもまあ1人当たり30元(450円)もあれば十分だろうが、
まずそんなにかかることは稀だろう。

一部の店ではカエルが店先においてあったりして調理するようだが、
ゲテモノは少なく、基本的に中華料理なので、
どこに入ってもそれほど抵抗なく、おいしく料理を食べれると思う。

ただし世界では珍しくマクドナルドに汚染されていない場所なので、
ハンバーガーとかピザとか西洋料理を食べるとなると、
大理古城きっての繁華街(といっても30mほど)の洋人街に行けばあるのだが、
下記にも説明する通り、まず間違いなくまずいので、
まずくて高い西洋料理より、店は汚いかもしれないが、
中華料理店に入った方が安くてうまくて量が多いので、
毎日でも中華料理店に行くといいだろう。

毎日中華は飽きるという方は、ラーメンとかショウロンポーとか屋台で売られているへんなものとかで、変化をつけるとよい。


<大理名物>
左の写真が、大理名物、砂鍋魚。
大概どのレストランにもある。
20〜30元(300〜450円)。
見ての通り鍋料理で、魚がまるまる一匹入っている。
魚は身を食べるというよりだしに使われている感じで、
魚以外の野菜を食べるのが中心。
さっぱり味で日本の寄せ鍋のようで食べやすい。
スープの代わりに頼むとよいだろう。

右の写真が、大理の湖で獲れた焼き魚。
店に水槽があって、生きた魚を水槽から料理人がひょいっとつかんで調理してくれる。
1匹10〜15元(150〜220円)程度。
普段、魚をあまり食べない私でさえも、白身魚のふんわりした身がおいしく感じられた。
肉料理がどうしても多くなってしまう中華料理にあって、うれしいメニューだ。

<朝食>
朝食はなんといってもショーロンポーがうまい!
といっても上海の時のように、
ショーロンポーがある店が少ない。
やっとみつけたこの店。朝は大変賑わっていた。

1せいろ8個入ってたったの2元(30円)!
これぞ中国旅行の醍醐味です。
ホテルで朝食ついているところはまずないし、
また万が一ついていたとしても、
たった30円でこんなおいしいものが食えるのだから、
ホテルで朝食を食べる必要はまったくないのである。










ちなみにショーロンポー屋を見つける前に、食べて失敗した朝食。
左は薄味ラーメン。2.5元(35円)。
大理料理レストランに入って店員に勧められるままこれを食べた。
まずくはないのだが、あっさりしていてほとんど味がない。
中国人はよく朝からラーメンを食べている。
ちなみに朝食はメニュー表がないところが多いので指差しになる。

右はチベタンカフェの西洋式ブレックファースト10元(150円)。
チベタンカフェはバックパッカーご用達のありがたい店で、
レストラン利用者はインターネット無料で日本語入力できるパソコンもあり、
おいしいコーヒーもあり、大変重宝したのだが、
残念ながら西洋料理はやはり中国。おいしくない。
上のまずい朝食に10元出すならやはりショーロンポー2元だろう。

<一般的な昼食・夕食>
左と右の写真はまったく別の店で撮ったものだけど、
見ての通り、似たり寄ったりの料理が出てくる。
一般的な中華料理の店で、だいたい1品7〜10元(100〜150円)で食べられる。
チンジャオロース、麻婆豆腐、
トマトと玉子の炒め物、ホイコーロー、
木耳と肉の炒め物、野菜の炒め物などなど、
1.5人前ぐらいの1皿がこの値段で食べられる。

この手の料理は「ツァイタン(メニュー)」を持ってきてもらい、
漢字を見れば日本人なら言葉ができなくても簡単に頼める。
ごはんはミーファン、チャーハンはチャオファン。
ごはんメニューはメニューには載っていない場合が多いので、
言葉を覚えておいた方がいい。
ただチャーハンの場合にはいろんな種類があり、
チャオファンといった後、必ず「何のチャオファンにするのか」と聞かれて、
困ったのだが、蚤炒飯(タンチャオファン)といえば、玉子チャーハンが出てくる。

料理2品、チャーハン1つ、スープ1つ頼んで、
20〜30元(300〜450円)程度で2人分ぐらいになる。


<その他の中華料理>
左写真:スープはタンという。油ぎった中華が多いので頼むとよい。
1つ頼むと2〜3人前はあるでかい椀に出てきて5元(75円)ぐらい。

中写真:これぞ、東北水餃子。スイジャー。
中国東北地方では水餃子チェーン店があるほどで、
水餃子を主食につまみを食べるというスタイルで食事を済ますのだが、
これが実においしくって、私は東北取材中は水餃子ばかり食べていた。

ただ他の地方にはなかなかおいしい水餃子がない。
大理に「東北水餃」の文字をみつけて注文した。
20個ぐらい入った水餃子が10元(150円)。
本場で食べた水餃子の感動はなかったが、十分おいしかった。
右写真:中華料理に飽きたらラーメン(面)を頼もう。
どこにでもラーメンはある。
ちなみに中国では麺と書かずに面と書く。
1杯3〜5元(45〜75円)ぐらいだ。
ちなみにこの写真は刀削面。


というわけで中華は大変おいしくて安い。
中国で西洋料理を頼むと大変悲惨になるというのが上記の例。
見ての通りまずそうで、そしてまずくて、そんでもって高い。
ピザやパスタなんか30元(450円)ぐらいしたんじゃないかな。
大理の洋人街では西洋料理が食べられる。
チベタンカフェでは洋人街より半分ぐらいの値段で量も多い西洋料理が食べれるが、
やはりおいしくはなかった。

中国では絶対中華を食べるべきだろう。

・中国と日本のギョーザの違い
まあ、あんまり硬い話ばかりしていると、読者からそっぽ向かれそうなので、
中国旅行での軽い小話を一つ。

日本でギョーザというとまず間違いなく焼餃子のことをいうが、
中国でギョーザというとまず間違いなく水餃子のことをさす。
中国東北地方の各都市ではおいしいギョーザ店があちこちにあり、
3日連続でギョーザが食事だった。

水餃子には少ない店でも20種類、多い店では40種類以上もある。
まあ中に入っている具がいろいろと変わるからそんなに種類があるわけである。
僕とガイドとドライバー3人で4種類ぐらいの水餃子を頼む。
ちなみにごはんは頼まない。ギョーザをごはん代わりとして何十個も食べるからだ。
しょうゆとラー油にたっぷりにんにくをまぜて、いろんな種類の水餃子を食べる。
これが実にうまいんだな。ほんとパクパクいけちゃう。

おかずに野菜炒めなどを2、3品頼む。
合間に食べる野菜がこれがまたうまい。
ほんとこのギョーザの食事がやみつきになりそう。

焼餃子もある店があり、試しに頼んでみたんだけど、水餃子に比べてうまくない。
なぜか。
中国では餃子といえばまず水餃子を出すのが常識で、
水餃子のあまりものを翌日もったいないから焼いて出したものが焼餃子だからなのだ。
つまり中国で焼餃子は余った残りモノということなのである。

でも、いやだからといった方がいいのか、中国の焼餃子より日本の焼餃子の方がうまい。
それは多分、日本の焼餃子は焼餃子用に作っているからであって、
水餃子の残りモノではないからだろう。

ま、そんなわけで、中国に行ったら水餃子を食うのがよろし。

・中国人ガイドでわかる男性と女性の食事観
中国での取材旅行は、各都市で中国人の日本語ガイドとドライバーがついた。
昼食は僕とガイドとドライバーと3人で取ることになる。
当然、僕はお店を知らないので、ガイドさんにまかせることになる。
おもしろいことに、このお店選びの基準が男性ガイドと女性ガイドで著しく違っている。
実に笑ってしまうほどはっきりしていた。
大連および瀋陽は20代の女性ガイド。ハルピン・長春は40代の男性ガイド。

女性ガイドの方が紹介するお店は、大連でも瀋陽でもそうだが、値段は度外視しておいしい店を紹介してくれる。
取材費としてどうせ食事代は領収書切れるということがあるにしても、結構な値段がした。
大連ではしゃぶしゃぶを食べたんだけど、1人80元ぐらい(日本円にして1200円ぐらい)。
瀋陽では魚料理とギョーザでやはり1人80元ぐらい(1200円)。

これは中国の物価からするとおったまげてしまう値段である。
だいたいラーメンが4元(60円)、チンジャオロースとかホイコーローが10元(150円)、
ミネラルウオーターが1本1元(15円)の食費水準に、1人80元(1200円)とは驚きの値段である。
まあもちろん味はおいしいが・・・。

ところが男性ガイドはおいしさよりも、それ以上に値段を気にする。
ハルピンでしゃぶしゃぶを食べた時は1人20元(300円)。
長春で水餃子店に行った時もやはり1人20元(300円)。
「おいしいお店」という前に、彼らおじさんガイドは、
「安い店がありますよ」「安い方がいいでしょ」と味よりもまず値段を気にしていたのが特徴的だ。
安いだけでなく、量もありおいしかったことには間違いないが。

まあこのようにして男性と女性の間には「いい店」という基準が大分違うようであるが、
これは日本にもあてはまること。
女性は多少高くても雰囲気が良く、「どこどこのなになにで有名な」みたいな、
ある種の「ブランド」にこだわるが、
男性はというと、雰囲気は度外視し、有名である必要はなく、
とにかく安くて量が多い「行きつけ」の店にいきたがる。

中国人ガイドの性別によるお店選択の基準の違いには思わず笑ってしまった。
もちろん僕は男性なので、20元(300円)で腹一杯食えておいしい店の方に軍配を上げてしまうが、
もし取材者が僕ではなく女性だったら、きっと女性ガイドの紹介したお店に軍配を上げるだろうな。

・英語より漢字〜中国〜
中国語は挨拶以外は全くわからない僕ではあるが、
たとえば博物館などにいって説明書きなんかがあると、
英語の説明よりまず間違いなく、中国語で書かれた漢字の文章を見る。
その方がはるかに意味がわかるからだ。

もちろん中国の漢字と日本の漢字はイコールではないし、
たとえば「汽車」が中国では「バス」を意味したり、
「大酒店」は「ホテル」を意味したりと、勘違いしやすいものもあるわけだが、
英語の文章なんか読んでいるより、漢字の文章を見た方がはるかに即意味がわかるから不思議である。
言葉はわからなくても文字がわかる外国というのは、日本と中国ぐらいじゃないか。

その点、韓国はお手上げである。
韓国も漢字がわかる人もいるが、ほとんどが例のハングル文字である。
あの記号的ハングル文字の羅列した文章や看板を前に街を歩くと、
もうそれだけでちんぷんかん気分である。

今年、日本は、もうすでにはるかなる過去の忘却となった「ワールドカップ」を日韓共催で行ったり、
日中国交正常化30周年で、中国各地への直行便をばんばん出しているように、
中国との距離をこれまでになく縮め、
さらには、あのまったく得体知れずでコンタクトすら取れなかった北朝鮮と会談をしたという、
アメリカのイラク攻撃のせいでテロ一色の暗雲立ち込める国際情勢だが、
実は日本にとっては、すぐお隣との国と第二次世界大戦のわだかまりを越えて、
友好を深める大いなる一歩を踏み出した、希望に満ちた年だった。


中国の文章が日本の僕にもある程度わかるっていうのは、
つまりは第二次世界大戦だの日清戦争だののもっとも前には、
実は中国と日本は緊密な関係にあったって証拠なんだよな。

年寄りにとって「中国」は、自分の幼少期の体験と結びついて、ある意味身近な存在なんだけど、
どうも若者には「ヨーロッパ」だとか「アメリカ」だとか「ハワイ」「グアム」「バリ」・・・といった、
リゾート地の方が身近な外国と感じているかもしれないが、
歴史をひもといてかなり同一の文化がある中国っていう国に対して、
もっともっと興味を持っていいんじゃないかなと思う。

だって外国にいって、言葉はわからないのに文章が読める国なんて中国以外ないんですから。

・こんなのあり?!



中国は東北地方、瀋陽(かつての奉天)での公園内の出来事である。
朝8時、気温は5度。大変寒い。
でも中国人は元気。朝必ず運動したり散歩したりするらしい。
一緒にいる20代の女性ガイドも、毎朝近くの公園で通勤前、必ず軽く運動しているというから驚きである。

太極拳・自転車・散歩・・・この辺までは理解ができるが、
瀋陽公園には何やら得体の集団がいた。
公園内の道路に文字を書き続けるおやじたち。
いいのか、そんなことして?
と思ったらでっかいペンのインクとなっているのは水。
なるほど、消えるわけか。そうだよな、勝手に道路になんか書いちゃまずいよな。

というか、なんでこんなところでくそ寒いのに字を書いてるの?
「この人たちは字を練習してます」 とガイド。
う〜ん、なんでまた寒い早朝に、わざわざこんなでっかい字で練習せなあかんの?
「わかりませんけど、多いです、こういう人たちは(笑)」

中国人の考えることはようわからんなあ。
これでほんとに字の練習になるのかなあ。
でもまあなんとなく子供の砂遊び感覚ににて、
何かの意味を求める方が間違っているのかもしれない。

ちなみに公園内では大声でわめき声をあげて歌う集団あり。
これも結構いるらしい。
朝の運動なんだろうな。すべては。
日本人も通勤前にこの寒空の中、字の練習はいかが?