千鳥町写真朝景(京浜工業地帯)

By かさこワールド



























































工場写真集発売!

千鳥町撮影日誌(2006.1.28)
すごい異臭である。
すさまじい。
川崎からバスで20分ほどの千鳥町エリアに来たのは2度目だが、
強烈なシンナーを延々吸わされ続けているような、そんな臭いが充満している。
わずか1km四方程度の小さな島に。

工業地帯の日の出の景色を撮りたいと思い、
千鳥町へ朝一番の川崎駅始発のバス(6時8分)に乗ろうとしたところ、1つの驚きがあった。
土曜日の真冬の朝だというのに、バス到着前から約30人以上の乗客が列をなしているのである。
無論、私のように写真を撮るものなどいない。
工場に働きにいくためだ。

京浜工業地帯は社会の教科書に出てきた、高度成長時代の過去の遺産なんかではないことがわかる。
今も、立派に稼動しているのだ。

バスを降りると千鳥町という名の島を3周ぐらいした。
とにかく異臭がすさまじい。
そんなこともあろうかと、マスクを持ってきたが、
そんなもんじゃまったくきかない。
こんな異臭地帯が東京の住宅街のすぐそばにあるということが意外だ。

にもかかわらず、この千鳥町の工場群は「美しい」のである。
無機的な感じの、構造むき出しの巨大工場が、現代社会の深層意識とシンクロしているのか、
見ていて妙に落ち着くのだ。
工場萌えの人たちがいっぱいいるのがよくわかる。
確かに、惹きつけられる何かがある。

ただそこには異臭を伴って、じっくり見たくても、逃げ出したくなるほどなのだが。

京浜工業地帯は土曜日の日の出前でも、すでにしっかりと稼動していた。