椎間板ヘルニアドキュメント かさこワールド

腰痛とは全く無縁だったかさこが、2002年2月(27歳)、突如、腰痛に。
しかも日に日に悪化し、4月レーザー手術。 しかし効果なく2週間の寝たきり生活。
その後復活するも、6月末、またしても腰痛悪化する・・・。
かさこの腰痛は治るのか?
椎間板ヘルニアドキュメントをリアルタイムでお届けします。

・ドキュメント4:入院〜手術(7/1〜4)
7・1:1日目
川崎の太田総合病院から赤坂見附の前田病院に移って入院。
●さすがわかりのいい医者
一番最初に行った病院に戻ったわけだが、レーザー治療の先生や川崎の病院の医者より、
はるかに理路整然としていて、非常に好感が持てた。
(はじめに行った時は、比較対象がなかったからわからなかったが)

レーザー治療をやってしまったので、まずMRI検査をもう一回やりましょう。
とにかくまず僕のスタート地点はMRI検査なのだ。
看護婦さんも、「さすがに今日の今日は無理ですけど、
早いうちにどこかでMRI検査を受けられるようにしますので」
結果、入院翌日にMRIが受けられることになった。

あのくそ川崎・太田総合病院では、第一歩となるMRIが「7・18にならないと受けられない」という。
見よ、この違い!
というかこっちの病院が普通なんであって、太田総合病院は明らかにおかしい。
ヘルニアかどうかを知るためにはまずMRIなのだ。
それを僕はわかっていたから、早くMRIをやらない太田総合病院を退院させてもらった。
もしそれを知らなければ僕は太田総合病院で、ただ痛み止めを注射される入院生活を、
3週間近く送らなければならない。
その後、やっと検査が終わって、検査結果で手術になったとしても、
手術後10日間は病院に安静にしていなくてはならない。
そんな風にして入院生活を長引かされたら、いくら腰が治っても、筋力が落ちて歩けなくなってしまい、
そのリハビリにまた時間がかかる・・・。
太田総合病院はおかしい。というか患者をバカにしてるよな。

●病室のレベルが格段にアップしたが、
設備使用料の名目で病院ではなくビル会社に1日3800円も取られるのは、困ったものである。
まあそんなことよりなにより変わったのが雰囲気。
川崎の病院は部屋も汚いし、狭いし、快適とは言い難かったが、
患者同士がざっくばらんに話ができる雰囲気があり、
部屋が雑然としていたから、お見舞いに来た人としゃべっていても違和感はなかった。
ところが今度の病室(というか病院全体)は、
あまりに整然としすぎて静か過ぎて気が滅入ってしまいそうな雰囲気なのだ。
人間的雑然とした地方型農村環境と機械的整然とした都市型町環境の違い。
川崎のざっくばらんな雰囲気に戻りたい・・・。
医者さえ良ければ川崎でよかったのに。

7・2:2日目
●早速MRI!
さすが前田病院(いやこれがどこも普通だろうが、太田総合病院の犯罪的怠慢からすると感動だな)。
入院して翌朝、MRI検査をしてもらえることになった。
もちろんこの病院だってMRIを予約している客でいっぱいだよ。
だけど入院までしている患者を優先する意識がきちんとあるから、すぐにやってくれるんだろうな。
民間企業なら当たり前のことだけど、ご覧の通り、川崎の太田総合病院のように、
入院引き伸ばして金稼ごうとしているのか、MRIを20日間も待てと信じられない病院もあるからご注意を。

●スピードこそ最大のサービス
さすが前田病院である。太田総合病院ならMRIをまずやるのに3週間待ちだが、前田病院は入院翌日。
その検査結果をすぐその日の午後に報告。
主治医がその時点であさっての手術に向けて準備。さすがは前田病院である。

とにかく手術後が2週間程安静にしなくてはならず、寝なくてはならないのだ。
だから手術が遅くなればなるほど、無駄な入院費・入院時間が増えるというわけだ。
月曜日に入院し、火曜日には検査。そして木曜日には手術という、
迅速化を図った処置に僕はうれしくて仕方がない。
本当はどこの病院でもそうだと思ったから、わざわざ赤坂見附の前田病院にいかず、
家から近くて一番大きい太田総合病院を選んだのに。
太田総合病院のせいで無駄な1週間を過ごしたが、即退院を志願したことと、
前田病院の迅速な措置のおかげで、入院は最短で済みそうだ。
といっても、それでも退院予定日は7・25である。

●無駄な日がない
前田病院の入院1日1日は、無駄な日がない。
入院翌日に手術をするために検査をすべて終え、最短の手術日を視野に入れ、話を進めてくれる。
そう、手術をしてからが大変なのだから、
手術をいかに早くするかのために1日も無駄にできないはずなのだ。

●レーザー手術後の切開手術
そんな迅速な対応をしてくれた前田病院だが、
レーザー手術を受けてしまったことに懸念を抱いていた。
レーザー手術がだめだったら切開手術とは単純にいかないようだ。
レーザー手術をやったがために、僕の椎間板ヘルニアの状態は少し変わっていた。
でっぱりが引っ込めば痛くなくなるのだが、でっぱりが下に垂れ下がってしまったのだ。
しかもレーザー手術をした後なので、まっさらな状態で手術をするのとは違い、
いわば一度「傷物」になった体にやるわけなので、
もしかしたらレーザー照射したところが体の治癒力によってはっついてしまっていると、
手術がしにくくなる可能性があり、より大きく傷をつけなくてはならない可能性が出てきたのだ。

確かにレーザーで治る人もいるかもしれないが、
僕の実体験からすればさんざんな目にあわされたことになる。
レーザーがだめならだめで切開手術に切り替えればいいわけだが、
その切開手術にも支障をきたすとなれば相当リスクが高い掛けとなる。
そう思うと、ネットやマスコミであれだけ平然とレーザー手術賛美している理由がほとほとわからない。

確かにレーザーによってヘルニアは変わった。
へっこめばいいが、僕のようにでっぱりが垂れ下がってしまうこともある。
ということはだ。 レーザー手術をやって良くなるどころか悪くなる可能性もある。
まあ理論的には十分考えられる話。

僕が思うに、ヘルニア重症患者だったら切開手術した方がいいと思う。


●不快なMRI

7・3:3日目
明日、手術が正式に決定した。
迅速な対応に感謝するも、いよいよ手術後が入院生活のはじまりである。
完全に2週間寝たきり状態。
持ってきた本も、ノートパソコンも、使うことができない可能性が出できた。
するとテレビかCDウォークマンかということになる。ノートパソコンが使えればいいのに・・・。

手術。それは初体験である。
レーザー手術は「手術」とは言いがたい。まあ長い注射を打っていた程度のことである。
部分麻酔だし15分ぐらいで終わってしまうし。整形外科の先生は不思議がっていた。
そこのレーザー治療はいんちきとしか思えないと。

というわけで完全麻酔もはじめてだし、手術台の上にのるのもはじめてだし、
もちろんこれだけ長く入院するのもはじめて。
さらには手術前に浣腸をうつという。
手術そのものよりそういったことの方が嫌なんだな。

●脱走
手術前の脱走劇。
僕は病院を出て、松葉杖をつきながら、夜の赤坂を歩いていた。
そう、これからの寝たきり生活と明日手術のために1日めしが食えないということで、
シャバの食い納めといわんばかりにラーメン屋に出向いたのだ。
うまかった。なんだかお忍びでラーメン食いにいくみたいで。
ちなみに食ったのは一点張りの辛味噌ラーメン。
その日ずっと熱っぽくってだるかったんですけど、味噌ラーメン食ったら急に元気になった。

7・4:4日目
手術日ということで何も食べれないが、昨日の味噌ラーメンが効いているせいか、そんなに腹は減らない。
それより何よりはじめて浣腸というのをやった。
若い女の看護婦がである。つきだしたおしりを目の前に、自分の手で穴をかき分け薬を入れる。
ほんと看護婦はえらいと思う。
無駄な税金使っている暇があったら、看護婦の待遇をアップせよ。

●いよいよ手術
ストレッチャーという移動式ベッドに載せられ、まず肩に筋肉注射を2本。
今日は何も食べていないので点滴はうたれたまま。
そして手術室に入る。 なんだかドラマみたいだ。なんせわたくし手術はじめてなのだから。
さすがに緊張するが、看護婦さんやお医者さんが冗談をいって気を紛らわしてくれたおかげで、
すごくリラックスできた。
口にまずい麻酔薬を飲む。 そして腰に麻酔の注射。
7、8人の前ですっぱだかにさせられよつんばいになる。
考えてみれば非常に屈辱的な姿だが、これが手術体制。

その体制が動かないようにまくらやなにやらで体制をそのまま固定する。
「じゃあ、眠ってもらいましょうか?」
全身麻酔を点滴から。
あっという間に僕は気を失った。

手術自体は30分程度。
腰を切り、でっぱっている軟骨を取りだし、
切ったところを再び縫いつけるだけ。
「かさこさん!」と呼びかけられ、目を覚ますと、
医者が小ビンになめこみたいなものをみせながら、
「これが神経にさわっていた軟骨です。すっきりとってしまいましたので。もう大丈夫ですよ」
ということであっという間に手術は終わった。

・排泄欲を満たしたい!
手術後は別に腰や足はなんとも痛くない。
ただ麻酔をかけられていたせいか、ぼやーとしている。
しんどいのはおしっこしたいんだけど、どうしても出なかったこと。
あおむけのまましびんをあてられても出ない。
せめて横向きにでもなれれば出るだろうが、あおむけじゃおしっこ出ないんだよ!

結局おなかがどんどんはってしまったので、緊急処置として尿道管をつけることにした。
ところがこれがものすごい痛い!
ちんちんに針をさされるような強烈な痛みがおそってきて、
むりやり尿道管をつけようとした時、僕はこの世のものとも思えぬうめき声をあげた。
思えば手術なんか全身麻酔だから痛くもなんともなかったけど、
この尿道管装着ほど、この入院生活で痛かったことはない。


旅と入院生活が似ている点。それは人間の生理的欲求の順位だろう。
日常生活を普通に過ごしていると、食欲やまして排泄欲に苦労することなどないから、
性欲とかが際立つのであろうが、不自由で過酷な環境に置かれた時、
最も欲求順位の高いのが排泄欲であることが、旅や入院生活で知ることができるだろう。

排泄したいと思った時にできないほど、苦しいことはない。

Google