GIFT発売!〜今できる「終わりなき旅」 ミスチルトップ かさこワールド


ついにやっとミスチル新曲「GIFT」が発売されました!
これでわざわざYoutubeで聴く必要なく、
iPodで聴けるのでとてもうれしく思ってます。
もうYoutubeなどで何百回となく聴いたかとは思いますが、
改めて「GIFT」レビューを。

はじめに聴いて思ったのは、
「終わりなき旅」の今版だなということ。
いわば、悲壮感を抜いた「終わりなき旅」。
“自分探し”を終えた人への「終わりなき旅」みたいな。

ロックより力強いポップな曲を。

“ポップザウルス”をめざし、
ミスチルが到達したポップとしての最高作品が、
アルバム「HOME」であり、そして「彩り」だったと思う。
その後、発売されたシングル「旅立ちの唄」を聴いても、
HOMEテイスト的“優しい歌”路線での、
応援歌・メッセージソングだった。

これはこれでもちろん素晴らしい曲群で、
シャウトすることなく、強烈な単語を吐くことなく、
日常を優しく歌いながら意識に訴えかけてくる名曲だけど、
どこか優しすぎて物足りなさを感じなくもない。

この「GIFT」は、「彩り」「旅立ちの唄」に、
かつて社会に、日本に、そして自分に向かって、
叫び声を上げていた力強いテイストが加味された、
優しいけど力強い応援歌ではないか。

まさに、今できる「終わりなき旅」。

私が思ったことを語っているのが、
「CDデータ」7/14発売号のミスチルインタビュー。
ドラムの鈴木英哉氏が答えているように、
“今、うちらができる「終わりなき旅」というか、
「そんな力強さが欲しいよねー」という話は、してましたね」
と語っている。

さらにドラムの鈴木英哉氏は、スポーツ選手とかが、
「終わりなき旅」や「I'LL BE」が好きという人が多く、
そうしたことを意識したとも語っている。

雑誌で「I'LL BE」は大文字になっているので、
シングルバージョンのことを言っているのかもしれないが、
「B-SIDE」にも収録されていない、シングルだけの「I'LL BE」が、
それほど多くの人が聴いているのかは微妙で、
多分、私が勝手に想像するに、「終わりなき旅」と同じく、
アルバム「DISCOVERY」に収録されている、
アルバムバージョンの「I'll be」ではないかと思っている。

ようは「HOME」とは真逆ともいえる、
暗闇の中を一歩一歩、力一杯、踏みしめて歩いていく、
アルバム「DISCOVERY」的なるものを加えることで、
「HOME」にはなかった力強さを加え、
ロックではなく力強いポップな曲をより進化させたのが、
この「GIFT」だと思う。
まさにミスチル真骨頂の、ミスチルファンにはたまらない、
ど真ん中のストライク的曲ではないか。

力強い応援歌ならこの世にいくらでもあふれている。
先日、テレビでレミオロメンの新曲「もっと遠くへ」を聴いて、
すごいいい曲だなと思った。
でもミスチルと比べると何か足りない。
この曲はフジテレビ系の北京オリンピックソングで、
「終わりなき旅」的というか「GIFT」的なんだけど、
なぜミスチルと比べると物足りなさを感じてしまうんだろうと考えた時、
大きな違いは歌詞にあるのではないかと思った。

ミスチルの歌詞は昔に比べれば極めて平易になりつつあるし、
桜井さん自身も昔のように、
歌詞に意味深なメッセージを込めてやろうみたいな、
そういう想いはまったくなくなったと以前、語っていた。

でもやっぱり平易な歌詞を使っていながら、
すごく意味深だし、歌詞に込められた想いが深いし、
そして何より意外性と共感性がある。

たとえば、

長い間 君に渡したくて
強く握り締めていたから もうグジャグジャになって
色は変わり果て お世辞にもきれいとは言えないけど

なんて部分は、ミスチルならではというか、
桜井さんならではというか。
誰もが過去に似たようなことを経験した些細な出来事を、
こうやって具体的に歌詞にする意外性と共感性。
こういうのがあると、すごく曲が頭に残り、
愛着がわいてくるんだと思う。

また、

地平線の先に辿り着いても
新しい地平線が広がるだけ

なんて歌詞も絶妙な見事さ。
景色で心象風景を語り、
そこにメッセージを乗せていく、
世界観のある歌詞の素晴らしさ。
だからありきたりの応援歌的歌詞の曲とは違い、
曲の世界観が奥深いものになってるんじゃないかと思う。

節々にみせる韻も見事で、
歌詞がメロディーにうまくのっているので、
歌いやすく、感情移入がしやすい。

とにもかくにもこの「GIFT」。
ほんと名曲だし、さらに歌詞を見るとまた愛着がわいてくるんで、
ぜひ多くの人に聴いてほしいなと思う。

さて、「GIFT」にはうれしいことに、カップリングに新曲2曲が!
「横断歩道を渡る人たち」は“B-SIDE”らしい、
ミスチルの王道とは外れたB面的実験曲で、
「1999年、夏、沖縄」テイスト。
変化球として結構、意外に楽しめます。

「風と星とメビウスの輪」はきっといい曲だと思うのだが、
アレンジがどうもしっくりこなく、
「シングルバージョン」とわざわざ書いてあるように、
「アルバムバージョン」の方をぜひ聴きたい。

シングルバージョンはピアノ演奏のみでややシンプル過ぎ。
これをオーケストラとか壮大な演奏で歌ったら、
すごく化けて光る曲に思える。

とにもかくにもGIFTを聴くだけでも、
「買い」のCDであることに間違いない。

あとは「HANABI」と「少年」。
そしてまだいつ出るかはわからないけど、
来年には出るであろう待望のニューアルバム。
ミスチルファンとしてはうれしい限りです。



<GIFT・PVが発売前にアップ>

こういうネット時代になって、もうこうやって発売前に曲すべてのPVが、
Youtubeにアップされる時代になっているにもかかわらず、
公式サイトではPVちらみせで、ほんのちょっとしか見れず、
相変わらずCD販売にこだわる時代遅れでビジネスチャンスを逃す音楽業界。
(ようはネットダウンロード先行販売すればいいわけです)

アーティストの利益のためにも、ネット時代における音楽ビジネスのあり方を、
音楽業界は真剣に考えるべきじゃないかなと思う。

Perfumeの惜しげもないネットPV大量公開が、
大ブレイクの一つのきっかけになったり、
まあ彼女らの場合は新人だから、
ミスチルにはあてはまらないという批判があるだろうが、
宇多田ヒカルの驚異的数のダウンロード販売によるビジネス的成功を見ていると、
*発売前に150万ダウンロード、2007/1−9だけでなんと1000万ダウンロード!
ミスチル事務所の時代に応じたビジネス戦略は、非常に遅れていて、
ミスチルのビジネス利益とファンの早く聴きたいという思いを、
大きく損なっているんじゃないかと思っている。

まあ、それはともかく、ミスチルファンにとってはありがたい限り!
これだと発売前に何百回となく聴いて、歌詞覚えてしまいますね。

みなさんご存知の通り、ミスチルがやっと今年、始動をはじめ、
7/30には9ヵ月ぶりとなるシングル「GIFT」が。
8/6には、多分ここ何年かライブをやった中で、
最高のセットリストと最高の盛り上がりを見せた、
「HOMEツアーin the filed」のDVDが。

9/3にはシングル「HANABI」が発売され、
ミスチルファンにとっては待ちに待った、うれしいリリースラッシュになります。