Mr.Childrenの部屋 ミスチルトップ かさこワールド

・Sign(2004/5/26発売)
先月「シフクノオト」というアルバムを出したばかりのミスチルが、
テレビドラマ「オレンジデイズ」の主題歌「Sign」含む、
新曲3曲が入ったシングルを5/25(発売日の前日が本当の発売日)にリリース!
ぱっと聞いた瞬間、「久しぶりにシングルらしいいい曲だなあ」としみじみ思いました。

今回の新曲「Sign」をわかりやすく表現すると、
「Any」と「くるみ」をたして2で割ったような曲。
しみじみとくる、ぐっとくる、とっても心温まるラブソングといってよければラブソングです。

思えば、こんな心優しいというか心温かい曲を桜井君は描けるんだよなー。
多分「口笛」からの傾向なんだと思う。
大仰な、ドラマティックないかにも「恋愛」ソングではなく、
なんていうか、結婚後の、長年の連れ添った者同士の、
日常にありふれたささやかな「愛」を歌うのがうまくなったというか、
多くなったというか、なんというか。

桜井君が常に「自分」を描きつづけ、それが作品にダイレクトに反映しているように、
彼とともに聞き手も歳をとるにつれ、同じような心境変化というか生活変化して、
それがシンクロするからきもちいいっていうかすばらしいっていうか、
心地よく音楽がすっと心に入ってくるというか。

でもじゃあ同世代しか聞けないっていうとそうでもないところが不思議なところで、
年上ならともかく、私より9年も年下の子とかが熱狂的なミスチルファンであることに今でも驚く。

もちろん歳をとってしまったミスチルが、そういう歌しか歌わなくなったかというとそうでもなくって、
「タガタメ」みたいな曲をぼんと歌える力もあるわけで、その辺のバランス感覚というか、
その両方が聞けるってところが多分、魅力なんだと思う。

久しぶりにというか、はじめてではないかと思えるほど、
「まっとうなドラマ」というか「そこそこ人気のありそうなドラマ」の主題歌にもなったことで、
またあらためてミスチルが見直されるというか聞きなおされるというか、
これまでとは違った人たちに聞けるチャンスが生まれているということは非常にいいことだと思う。
ドラマといえば無意味やたらにミスチルの曲三昧にして、
ミスチルの曲の品位をおとしめるためにわざとあちこちに使っているんじゃないかと思う、
タッキ−のドラマみたいなものに使われたせいで、
あまりこれまで「ドラマ主題歌」に運がなかったんだけど、
まあ今回はそこそこのドラマにあたったんじゃないかなと思う。
ドラマの雰囲気ともあってそうだし。

ちなみにカップリング曲は「残念ながら」という表現が正しいかどうかはわからないが、
ファンでない人が聞いてもちょっと意味不明というか、
ファンが聞いても聞きなれていかないと、ちょっと違和感のある2曲。
ま、これは仕方がないと思う。
多分、「シフクノオト」と同時期にできた楽曲だけで漏れてしまった曲なんだと思う。
(これがその曲なのかは定かではないが、桜井君はあちこちの雑誌のインタビューで、
漏れた曲もたくさんあったしみたいなことをいっていた)

アルバム発売からわずか1ヵ月半。
なんだ、それだったら前のアルバムにこの「Sign」もいれてくれればいいのに、
と思わないわけではないが、
ミスチルの傾向として、アルバムを出した2ヵ月後ぐらいには、
たいがい、アルバムに入っていないニューシングルを出す傾向がある。
それはきっとアルバムが終わって一段落して「これで終わった」といわれたくないからなのだろう。
アルバム発売から間髪置かずにシングルを出すことで、
今後もどんどん活動していきますみたいなことをアピールしているようにも感じられる。

だからアルバム発売後、ニューシングルが出なかったときは、
「ひょっとして解散なんじゃないか」と不安に思ったこともある。
ただ実際は、かなり聞き手が聞く時期と桜井君が作った時期にはズレがあるらしく、
(インタビュー記事などから類推される)
アルバム制作時にはすでに次のアルバム候補曲もできあがっているような感じだ。

なんたって驚いたのは「HERO」で、これは発売タイミングとしては、
桜井君が入院して退院後、出したはじめのシングルなんだけど、
てっきり病気を経てこの曲を描いたもんだと思い込んでいたんだけど、
(桜井君と一緒に曲をやった小田和正もそう思い込んでいたらしい)
その前に描いていたということでちょっと驚いた。

まあそんなわけで、今度のシングル「Sign」は素直にすごくいいっていえる、とってもいい曲です。
多分、フルでやるわけではないだろうけど、
今週金曜日のミュージックステーションと来週月曜日のHEY!HEY!HEY!(まだ続いていたのか)
に出演し、多分この「Sign」をやると思うので、ぜひ見てみてください。

ちょっと心配なのは、最近のこの過剰な活動ぶり、
とにかくあちこちの雑誌に同じようなことを聞かれるインタビューを何冊もこなし、
(あまりにも多すぎ、またいっていることがだぶっているのですべて買うのはあきらめた)
6月からコンサートもはじまり、
(またもやファンクラブ優先で取れず、ヤフオクで1枚22000円で買った。
こりゃ、まるで合法「ダフ屋」だな。
ダフ屋が取り締まられて、ヤフオクが成り立っている意味が私にはさっぱりわからんけど、
まあそれでも手に入れられたのだからほっとはしている。
それに22000円はいい方で、だいたい3万円前後で取引されている)
アルバムだして、ニューシングルだして、番組出て、ツアーという過剰な流れが、
実は突然、桜井君の小脳梗塞が発覚したペースとおんなじで、
あの時も、彼が短い時間を生き急ぐようなペースにちょっと危惧をしたのだが、
今回もそのようなことがないことを祈りたい。

(なんたってオークションで買ったチケットが中止になっても、
払戻しは定価でしかないんだからな。
まあ売ってくれた人が親切なら差額を返してくれるだろうけど、まず無理だろう)

いろいろ書いたけど、とにかく機会があったら聞いてみてください。