メリディアンローグ・アルバム解説&裏話 かさこワールド   メリログ応援サイトトップ

・2007年9月14日 メンバーによるメリログアルバム全曲紹介&裏話!第二弾
メンバーによるメリログアルバム全曲紹介&裏話!第2弾!!
私が一度ライブで聴いて、
あまりの素晴らしさに衝撃を受けたバンド、メリディアンローグ。
先日の第1弾アルバム紹介に引き続き、
今回は現在のメリログを彷彿とさせる、
コンセプチュアルなアルバムの萌芽が感じられる、
3rdアルバム「SIN」、4thアルバム「アクアリウム」を紹介します。
5thアルバム「マクロポリス」を気に入った方は、
この2枚を聴いてみることをおすすめします。
CDは公式サイトで販売されています!

●現メリログの萌芽を感じる、感動の3部作最終章・3rdアルバム「SIN」
01.バベルの塔 (Words&Music: 齊藤 涼)
02.inter#7[judgment] (Music: 齊藤 涼)
03.砂の棺 (Word: 齊藤 涼/Music: 川之上 英知)
04.inter#8[messiah] (Music: 齊藤 涼)
05.ソレイユ (Words&Music: 齊藤 涼)
06.inter#9[universe] (Music: 齊藤 涼)
07.ロストガーデン (Words&Music: 齊藤 涼)
08.inter#0[zero] (Music: 齊藤 涼)

ーー「SIN」についてメンバーそれぞれの想いは?

涼 :3部作を締めくくるということで、相当気合を入れて作りました。
タイトルもすごく悩んで、10以上の候補があった中で、
SIN(=罪)というタイトルに決めました。
その頃、新小岩で野外ライブをやっていたのですが、
その時、メンバーに提案したのを覚えてます。

海保:3部作完結編ということで、最後に「inter#0[zero] 」を入れて、
1stアルバム「Prelude」の頭につながって戻るということにしました。
音的にもつながっているんです。
長田:実はこの時、指に3針縫うケガをしてしまい、
ギターのレコーディングが遅れてしまった。
そんな中、必死に作った曲たちです。

ーー「SIN」のテーマは?

涼 :1stアルバムの「イカロス」からはじまった旅が、
「ソレイユ」の「太陽に手が届いたんだ」で終わるはずなのに、
実はそのまた後に「ロストガーデン」という思わぬ結末があって。
楽園はどこにもなくて、たどり着いて見た真実は、
神様が自分自身だったという結末なんです。
つまり、神とはどこかに存在するものではなく、
自分自身の中に存在するものだと。

海保:そういえばこの頃、涼さん、
宗教を否定したいってしきりに言ってたよなあ。
涼 :今はそうでもないんだけど、
宗教というか、何かにすがるということを否定したかったんです。
「ロストガーデン」での結末、
神様=自分、だから絶望するんじゃなく、
自分自身が何者にもすがらずに、
自分の手足で自立して歩いていこうって、
そういうメッセージを込めて、
この3部作の締めくくりに「ロストガーデン」を持ってきたわけです。

「ソレイユ」で終わるんじゃなく、
「ロストガーデン」で終わったのは、
フラットな立場で自分がいたくって。
物事には光もあれば闇もある。
両面あるってことを言いたかったので。

ーーでは「バベルの塔」の紹介から。
海保:ドラムとベースだけのイントロから、
どわーってギターが入ってくる瞬間が好き!
涼 :シンプルだけど独特の雰囲気がある曲。
オルガンの音が印象的。
詞がこれまでより内省的かつ俯瞰的な視点になってきた。
間奏は長田君の提案なんです。
長田:この曲はDVDのプロモーション映像に残した曲なので、
このアルバムの中では個人的に一番想い入れがあります。
ギターソロ前半でチョーキングしてからピックタップしているのは、
バベルの塔を崩す感じを表現しています。

涼 :そういえば「バベルの塔」を昔、原宿のライブハウスでやった時、
ライブハウスの人に酷評されたんです。
「いつの時代の音楽やってるんだ」みたいな。
でもこの時、それを聞いて思ったんです。
「自分のやりたい音楽を好きなようにやる」って。
他人の評価ばかりに惑わされず、
自分がいいと思った曲を信じて作っていこうって。
海保:そういえば、先に打ち上げの居酒屋で待っていたら、
涼さんが元気なく帰ってきたのを覚えてます(笑)。

ーーinter#7[judgment] について。
涼 :打ち込みだけで作るつもりだったけど、
長田君のギターがすごくよかったのが印象に残ってます。
もともと歌ありの曲になる予定だったんです。

ーー「砂の棺」について。
涼 :神々の怒りにふれた「バベルの塔」と、
「イカロス」からはじまった旅の終焉を迎える「ソレイユ」の間に、
つなぐ曲がほしいと思ってできた曲。
バベル後の破滅した世界で何もない荒涼とした様子を描こうと、
元ベースの川之上とのはじめての合作(作詞:涼、作曲:川之上)でできました。

海保:はじめ川之上さんがデモを持ってきた時、
そんなに惹かれる曲じゃなかったんだけど、
涼さんのストリングスアレンジと、
長田君のギターアレンジですごく生まれ変わった!
ギターソロ、すごい好き。
長田:ギターをちょっとUKロックっぽく弾いてみました。
ギターソロは自分でもかなり気に入ってます。

ーーinter#8[messiah] について。
涼 :途中に入っている気持ち悪い声は僕です(笑)。
ドロドロした感じがすごくいいですね。
砂の棺の荒涼とした世界から、
ソレイユにはばたいていく、そんな感じです。
最後の音は鳥のはばたきのつもりです。

ーー「SIN」の代表曲ともいえる「ソレイユ」について。
涼 :もろにいい曲かけた!って感じ。
この頃からすごく曲の構成にこだわりはじめました。
あとブラスをはじめて入れてみた。

長田:当時ギターのカッティングをかなり練習させられた曲。
ノリを出すのに結構苦戦しました。
ピアノではじまり、サビで盛り上がるところが、
すごくメリログっぽい感じではないでしょうか!
海保:「ソレイユ」もかなり路上ライブでやりました。
「イカロス」後のメリログの代表曲として、
試聴CDとして無料で配っていましたし。
2サビ後で盛り上げまくって、
ギターソロで突き抜けて広がっていく感じがすごい好き!!

ーーinter#9[universe]について。
涼 :「イカロス」をモチーフにしながら、
3部作最後の「ロストガーデン」に、
うまくつなげることに成功した曲です。

ーーそして3部作最後を締めくくる「ロストガーデン」。
涼 :3部作最後だけあって特に歌詞にはこだわりました。
歌詞にきちんと“オチ”をつけようとか意識して。
サウンド的にも逆再生のギターを入れたりと、
こだわりが強くなってきていて、全体の構成も複雑。

長田:スタジオで涼さんがギター弾き語りで初披露してくれた時、
鳥肌がたったほど。
ギターソロも壮大なイメージで感情を込めて弾けた曲。
個人的にかなり気に入っている曲です。
海保:3部作のエンディングはこれしかなかった!といえる曲。
この曲を演奏して終わった瞬間、
何もかもが終わった感じがして、脱力感が生まれてくるほどです。
涼 :でも実はライブで「ロストガーデン」も「ソレイユ」も、
僕的にはあんまりやりたくなかったんです。

ーーえっ、なんでまた??
涼 :伴奏に中域の音があんまりなくて、
歌う時、すごく音程がとりづらいんです。
歌唱力が問われる曲でもあるので、歌うのは結構大変。
この曲を歌うとすごく体力を奪われるんで。
海保:それだけいい曲ってことだよね。
涼 :「ロストガーデン」の最後の部分を歌う力を残しておくために、
すごいペース配分考えて歌っているんだから。
海保:知らなかった!
長田:同じく!!

ーーそして最後のinter#0[zero] について。
涼 :1stアルバム「Prelude」の最初につなげる、
この曲のアイデアを思いついた時、やった!と思った。
ちなみに、3部作すべてのアルバムをつなげても、
ちょうどMD1枚に収まります。

ーーまさに3部作完結ですね!
海保:「SIN」で完結する3部作があったからこそ、
1枚完結のコンセプチュアルな次作アルバム「アクアリウム」が、
できたなって感じがします。
長田:今、思えば、3部作のアルバムを出す中で、
メリログの音楽性を模索していたような気がする。
涼 :僕は3rdアルバム「SIN」で、
現メリログの方向性が固まったなって手ごたえがすごくありました。

●インタビュー裏話
「ウーロン茶とごはん!」
「ビールとごはん!」
「う〜ん、お酒、何にしようかな?」

メンバー3人に集まっていただき、
夜18時過ぎに飲み屋でインタビューしたんだけど、
この三者三様の頼み方がなんともおもしろい。
ドラムの海保さんはお酒は一切飲まない。
飲み屋でいきなり「ウーロン茶とごはん」は、
ある意味、店員もぶったまげるだろう。
ちなみにごはんはすぐにもう一杯おかわりしてました(笑)。

ギターの長田さんは、酒もごはんもまずは量を重視。
ビールを頼みつつ、ごはんも一緒に頼むってのが、
それを端的に物語っている。
ある意味ではこのメンバー3人の中では一番若者っぽいのかも。

そして涼さんは酒もつまみも、何事にも質を考えてこだわる感じ。
いろんな酒を味わいたいし、
それに合せたつまみで味わいたい。
曲への徹底したこだわりを見てもそうだけど、
何事にもこだわりを持つお方。
でもお酒が回りだすとメンバーの誰よりも、
明るくご機嫌になっている様子がなんともかわいらしい(笑)。

そんなバラバラなようでいて、
でも雰囲気はみなわりと似ていて、
どの方もフレンドリーで腰が低い!
そんなメンバーたちですので、
ライブが終わった後など、
気軽にメンバーに話しかけてみるとよいと思います。

●「SIN」かさこ解説
このアルバムを聴くと、
宮崎駿映画とか宮部みゆきの「ブレイブストーリー」とか、
異世界への冒険譚がリアルにイメージできる。
荒野にそびえる「バベルの塔」が、
神に逆らった人間たちの罪過により、
音もなく崩れ去った後、
何もない砂漠に、亡骸がずっと続いていく中、
オアシスを求めて旅をする人々(「砂の棺」)。

旅を続けていく中で、
必死に追い求めてきた翼を手に入れ、
太陽に手が届く場所までたどり着いた(「ソレイユ」)んだけど、
そこで見た天空の楽園(「ロストガーデン」)は、
神々の理想郷ではなく、何もない場所に過ぎなかったみたいな。

このアルバム自体が1つの神話みたいで、
架空の世界を舞台に、無力な旅人(主人公)がたどり着いた旅の終わりが、
現代社会を暗示させるような「リアル」な結末で。
そこから日常へと戻った私たち一人一人が何をすべきなのか、
そんなことを考えさせてくれる、名作ファンタジー映画のよう。

3部作とはいえ、4枚目のアルバム「アクアリウム」と、
ある意味では対になっているともいえ、
この「SIN」からぐっとメリログワールドが進化していく、
スタート地点のような気もする。

メリログ神話的世界から現代社会と自分たちの今の生を考える、
一つの示唆的な作品をぜひ聴いてみることをおすすめします。
特に「ソレイユ」「ロストガーデン」はやばい!
ほんと名曲だし、ぐっと心にくる切なさがたまならいです。

●ファンタジー小説のような1枚完結物語・4thアルバム「アクアリウム」
01.Page[001] (Music: 齊藤 涼)
02.フェアリーテイル (Words&Music: 齊藤 涼)
03.Page[292] (Music: 齊藤 涼)
04.フロンティア (Words&Music: 齊藤 涼)
05.Page[698] (Music: 齊藤 涼)
06.デウス・マキナ (Words&Music: 齊藤 涼)
07.Page[1066] (Music: 齊藤 涼)
08.水槽の中で (Words&Music: 齊藤 涼)
09.Page[1265] (Music: 齊藤 涼)

ーー3部作が終わって、どのような形で4枚目の制作に入ったのでしょうか?
海保:3部作が終わって、どういうCD作ろうかという話の中で、
次は1枚完結のものにしようと。
世界観・メッセージ性をより強めたものを作ろうと決めました。
涼 :アルバムコンセプトは、
海保君と話をしているうちに生まれたアイデアなんです。
永遠の生があったら欲しいかどうかって話になって、僕は欲しいと。
海保:僕は欲しくないと。
涼 :そんなディスカッションから生まれたアルバムで、
もし永遠の命があったとしたらどうなるのかを、
書いてみたのがこのアルバムです。

海保:この頃から涼さんと、
歌詞について話し合う機会が増えました。
アルバムコンセプトがより明確になったこともあったので。
涼 :僕の頭の中にある妄想の世界を、
海保君との話を通してより具現化していきました。

ーー「アクアリウム」のテーマは?
涼 :永遠の生がもし仮にあったとするなら、
肉体なんかいらなくって、脳だけが「水槽の中」に入っていて、
自分が頭の中で思い描く理想郷の世界だけに、
住んでいればいいんじゃないかっていうのが、このアルバムの物語。

人生において目に映るものは、
「単純な電気信号」(「デウス・マキナ」)に過ぎないわけだから、
脳だけあればいいんじゃないかみたいな。
もしかしたら将来、こんなことが現実化しちゃうかもしれないっていう、
恐ろしさというかすごさみたいな意味合いも込めていて。

そんな人間の脳が入った水槽の水族館が、
アルバムタイトルの「アクアリウム」であり、
カバージャケットにもなっているのです。

ーー今回は曲と曲との間にinter#ではなくPageと入っていますが、その意味は?
涼 :永遠の生があったらどうなるかという物語がこのアルバム。
いわばアルバムが1冊の本みたいになっているんです。
それで曲と曲との間にPageと入れました。
海保:ちなみにPageの後に入っている数字は、
そこまでの文字数を示しているんですよ。

ーーそれではPage[001]から。
涼 :本のページを開く音から始まっているんですけど、
これは実際に自分で録音しているんです。
物語がはじまるプロローグ的曲で、
次のフェアリーテイルにつながっています。

ーー「フェアリーテイル」について。
涼 :こんなお話をこれからしていきますよというのが、
はじめの曲の「フェアリーテイル」。
こんな荒唐無稽な戯言ですが、聴いてみてくださいって、
自己防衛の意味も込めた詞で(笑)。
でもおそらく歌詞は一番難解かも。

この曲は今でも大好き。
もう1度、こんな曲、作れるかといわれたら自信がないくらい、
すごく気に入ってます。
ちなみにリズムトラックはビョークの影響を受けてます。

海保:歌がスタートするまでかなり長い!(笑)
あるCD店の人がちょっとアルバム聴いて、
「インストバンドですか?」といわれたほど。
でもフェアリーテイルはすごく雰囲気ある曲ですよねー。
長田:ギターソロはかなり考えて作りました。
この頃から、より感情を込めて弾くことにこだわりはじめました。

ーーPage[292] について。
涼 :ショボクならないよう、打ち込むのに苦労したんですけど、
わりとちゃんとできました(笑)。

ーー「フロンティア」について。
涼 :この曲からいよいよ物語がスタート。
現代社会に生きる主人公が、
自由を求めているんだけどがんじがらめで、っていうのがテーマです。

海保:これまでのメリログには意外に今までなかった曲調。
曲は明るいけど歌詞はそうでもないのがメリログっぽい!
涼 :曲の仮タイトルは「直球」。
なぜなら直球でいい曲だ!って思ったので。
でもシンプル過ぎたかも?(笑)
長田:以前からファンキーなギターカッティングを使いたくって、
この曲でようやく使うことができました!

ーーPage[698]について。
涼 :仮想の施設「アクアリウム」に入る時の音をイメージしました。
ストーリー性の強い曲です。

ーー「デウス・マキナ」について。
涼 :「デウス・マキナ」とは、
「デウス・エクス・マキナ」ともいうんですけど、
機械仕掛けの神という意味と、
芝居などで突然超常的な何かが出てきて、
唐突で理不尽な終わり方をしてしまうという、
2つの意味があるんです。

曲の内容としては、人間が肉体に対する不満を言っている。
で、肉体に不満を持っているなら、
そもそも肉体なんかいらないんじゃないかって、結論に達する。
それがまさに機械仕掛けの神であり、
唐突な理不尽な終わり方というか結論という意味で、
「デウス・マキナ」ということなんです。

海保:歌詞がはじめあまりにグロすぎて直してもらったんです(笑)。
でもこの曲こそ、内容的には「アクアリウム」の主題曲。
長田:この曲のギターソロは必聴!
難しいこととかを特にやっているわけじゃないんですけど、
これほど曲にマッチしたギターソロができたことに満足してます。
涼 :メインのピアノフレーズはこの曲の象徴。
コード進行的にもかなり変態になってきた(笑)。

ーーPage[1066] について。
涼 :ほぼ効果音だけのトラックなんですが、
脳を浮かべている水槽を表現しているんです。
時々聴こえる電子音は、その装置の動作音のイメージ。

ーー「水槽の中で」について。
涼 :この曲は随分前にあったんです。
「アクアリウム」のコンセプトに合うということで入れたんですけど、
この機会がなければお蔵入りになっていたかも。
この曲については海保君とかなり話し合いました。

海保:「フェアリー」「フロンティア」「デウス」と収録することが決まり、
後1曲どうしようかって悩んでいた時に、
涼さんの曲のストックの中から救い出した曲。
この曲が最後に入ることで、
アルバム全体にすごくいい流れをもたらしたと思ってます。
長田:ピアノとアコースティックギターとエレキのクリーンが、
絶妙にマッチした曲だと思います。

ーーPage[1265] について。
涼 :締めくくりの曲として、本を閉じていく感じを表現してます。
「水槽の中で」のピアノフレーズをサンプリングして、
ページをめくる音がするたびに、
テンポを無視してピアノフレーズを流してる。
ページをめくるごとに、
また新しいストーリーが描かれていくことをイメージしたんです。
そして最後、本を閉じる音ですべては終わります。

ーー「アクアリウム」についてそれぞれの想いは?
長田:このアルバムで自分のギタープレイが、
確立したといっても過言ではないくらい大切なアルバムです。
海保:これまでの3枚のアルバムより、
かなりコンセプトを明確に、わかりやすくすることを意識しました。
涼 :はじめての1枚完結アルバムということもあり、
とにかくこだわって作りました。
今、聴くと結構暗いかなと思いますが、
このCDが好きな人とはきっとわかりあえるはず。

海保:このアルバムは、池袋の野外ライブで最新アルバム発売ライブやるぞって、
前々からファンにすごい宣伝してたんだけど、当日大雨になっちゃって、
ライブができなくても、楽しみにしているファンがいるかもしれないから、
CDだけでも売りに行くかみたいな話になって。
でも結局、天気が悪くならず無事にライブができたのを覚えてます。

長田:で、確か涼さんがアルバムを手にかかげて、
本を開くみたいにして「これから1冊の物語を演奏します」とかいって、
アルバムを丸ごと再現していったんですよ。
歌詞の解読とかを曲と曲との間に挟みながら。
涼 :そういえば、この頃から海保君が、
ライブの台本書くようになったんだと思います。

●インタビュー裏話

今回のアルバムインタビューを行うにあたって、
それぞれの曲ごとにメンバーとしての想いを書いてもらう、
アンケート用紙を配布した。

私はメリログメンバーにお会いしてから、
そんなに時間がたつわけじゃないんだけど、
メリログのことを考えると、
1:どこかで話が弾むと、
4枚のアルバムについて均等に話が聴けなくなるかも。
(そのくらいメンバーはざっくばらんな、親しみやすい方々です)

2:曲については作詞作曲している涼さんの発言が、
圧倒的に多くなる可能性が高いので、
少しでも他のメンバーの声を吸い上げるために、
それぞれにアンケート用紙を配布。
という意図があった。

そうした意図はともかくも、
実際にアンケート用紙に曲の想いを書いてもらうと、
まるでメンバーそれぞれの深層意識の心理テストのようで、
実におもしろかった。

涼さんはとにかく曲について。
曲の生みの親でもあるといえば当然といえば当然なんだけど、
意外と歌詞のこととかは書かれておらず、
とにかくこの曲がどのようにして生まれ、
どのようにして作られたかの記述が多かった。

海保さんは、どの曲についてもドラムについてのことは、
ほとんど書かれていない。
記述の大部分は、メリログのおけるこの曲の位置づけみたいな、
かなり俯瞰的・客観的視点から書かれている。
バンドの1プレイヤーとしてだけでなく、
むしろプロデューサーのような関わりを意識していることがわかる。

長田さんはとにかくギターについてのコメント。
当然といえば当然だけど、
ギタリストとして自分がどうこの曲に関わっているか、
その一点に集中した記述が多かった。

アンケート用紙から、
メンバーそれぞれがメリログというバンドに対して、
自分に何に比重を置いているかがわかる、おもしろい結果でした。

●「アクアリウム」かさこ解説
メリログワールド全開!の一作。
とにかく歌詞がやばいしすごい。
「イデア」「メビウス」「デウス・マキナ」などなど、
哲学的・神話的歌詞がちりばめられた世界観と、
それを彷彿とさせる曲がたまらなくいい!

1枚完結アルバムで歌詞入り曲は4曲入っているんだけど、
4曲が4様で、どれも違った意味で味わい深い。

「フェアリーテイル」の出だしはほんとやばい!
ファイナルファンタジーかなんかがはじまりそうな、
そんな異世界ムードたっぷりだし。
サビで一挙に盛り上がるところなんかが聴いていてすごく爽快だし。
でも「フロンティア」とかは意外とシンプルで好き。
ある意味メリログの中では新鮮に聴こえるし。
「デウス・マキナ」のダークワールドは、
近未来シミュレーション的映画世界で、
意味深な歌詞と不思議な世界へと誘うあやしげなメロディーが、
これ1つで1つの映画作品のような感じ。

そして最後に一転して「水槽の中で」で、
物語がしっかりと静かに終わっていく感じが、
まさに1枚完結。
4様の曲を楽しめる、アルバムとして聴きたい名作です。

メリログがこれまでに出しているアルバムは5枚。
言わずと知れた名作・5thアルバム「マクロポリス」については、
すでに持っている方も多いと思います。
「マクロポリス」が気に入った方は、
まずは4thアルバム「アクアリウム」を。
「アクアリム」が気に入った方は、3rdアルバム「SIN」を。
そして「SIN」が気に入った方は、
1stアルバム「Prelude」、2ndミニアルバム「MANA」を、
購入するとよいのではないかと、
一メリログファンとして思っています。

いよいよ年末から来年に向け、
メリログが本格的に始動しはじめそうな予感ですので、
最新アルバムの発売まで、
過去の名曲を聴いて待っているとよいと思います。

アルバムの試聴およびダウンロードは、メリログ公式サイトから。
http://meridianrogue.com/