経営者本 By かさこワールド  Amazon

・「稼ぐが勝ち」堀江貴文著
政界・財界の老害およびマスコミがホリエモン批判をする際、
こぞって引用したのが、この著書タイトル。
「稼ぐが勝ち」=マネー至上主義=金で何でも買える。
そんな男はけしからんとこういうわけだが、
老害たちはきっとこの本のタイトルしか知らず、
中身をまったく読んでいないんだろう。
ここにはマネー至上主義よりもっと恐ろしいことがある。
老害一掃論である。

旧体制にしがみつく奴らをぶっとばす。
時代遅れの旧価値観に縛られる奴らは一掃される。
旧世代がつくりあげてきた既得権益やまがいものの歪められた社会は、
劇的に変革される。
彼は自分の親父をその代表格にあげ、
親父世代を容赦なく糾弾している。
マネー至上主義なんて、そんな甘っちょろい本じゃない。
小泉首相が掲げた自民党をぶっ飛ばすをもっと徹底した発想。
旧世代がつくったこの欺瞞の社会はぶっ飛ばされるという強烈な社会変革書なのだ。

私は世代的に近いこともあって、非常に共感を覚えることが多かった。
彼はある意味では親父世代、旧世代に怨念に近い恨みを抱いている。
東大に入ってだから何になるんだ?
いい大学に入っていい企業に入ってそれでどうなるんだ?
バカみたいに親父みたいに一生サラリーマンで会社に奴隷のように働かされる。
それを「いいこと」として子供にめざさせてきた大人社会の欺瞞。
それを、全部、ひっくり返してやろうじゃないか。
バカな建て前論など振りかざさず、大人社会の欺瞞を逆手にとって、
歪んだ社会のルールにのっとってマネーゲームを制することで、
バカな大人たちを見返してやろうじゃないか。
私にはそんな恨み節が徹底されている内容だと思った。

だから、若者たち。バカな大人のいうことを聞かずに、
社会の本質を見抜いて、起業して金を稼ぐことで、
所詮この世は金でしかない日本社会を自分にいいように変えてやろうという、
起業社会変革論とさえいっていい。
ある意味では、かさこ内閣がめざす社会改革と非常に合致している点が多い。

下記、本書からの引用
・団塊の世代にあたる親父たちは、若いうちは会社にこき使われてきました。
「将来的に必ず裕福になるよ」といわれつづけて、
会社を信じたあげくにリストラされている世代です。


かさこ解説:にもかかわらず団塊の世代はいまだに子供たちに、
「いい大学に入り大企業に入る」ことだけが成功だと教える。
そんなことが嘘だってことは若者たちはすでに気づいている。
だから会社に就職しなくなり、フリーターやニートになったりするわけだ。

・フリーターや引きこもりといわれる人たちでも、
彼らの世界のなかで満足したり、認められたり、成功を感じることができるなら、
われわれがとやかくいう権利はないわけです。
価値観の多様化は歴史の必然だと思っています。
旧世代の価値観でものごとを計ることが不幸のはじまり、なのです。


かさこ解説:ほんともっとも!
フリーター、ニート批判のいきつくところは下流社会。
しかしフリーターになってもニートになっても生活できるほど、
彼らは逆にいえば「裕福」なわけです。
そういう奴らはけしからんという、旧来の価値観にすべてを当てはめ、
若者批判をもっともらしい言葉に置き換えて批判する旧世代のバカさ加減を見事に看破している。

・「最もだめな学生が大企業を目指す」と(ノーベル経済学賞受賞・スペンス教授が)言っています。
旧来の立身出世の物語にしがみついている限り、
ある程度の小金を稼ぐことはできても、本質的には貧乏人の枠から逃れることはできないのです。


かさこ解説:実は旧世代は、若者のこの貧乏人の枠に閉じ込めておきたい。
働かず既存の社会レールにのってくれないと、
旧世代の年金やら給料やらを負担してくれないから困るので、
フリーターやニートを批判する一方で、
ヒルズ族、IT、勝ち組、格差社会といった言葉で、
若者が旧世代を飛び越えて成功しては困るので、それも批判する。
ようは年功序列の国民総中流社会に戻した方が、
既得権益を持っている奴らだけがのうのうと暮らせるとこういうわけです。

・これまでの日本の社会では、交際費、接待費という名目で、
オヤジたちが会社の経費を使い、銀座のクラブで大きな顔をしていました。
しかし、これは厳密にいえば、税金ドロボーなのです。


かさこ解説:ライブドアでは経費節減を徹底しており、
交際費・接待費に会社から金は出さないという。
会社の経費で女の子のいる飲み屋で呑んだくれることが仕事だという、
おかしな日本の商慣習に疑問を投げかけているのは彼だけではあるまい。
ただ社会に入ってしまうとそれが当たり前になり、
「会社の経費だからいいや」と平気で金を使い出す。
こういう輩こそ社会の寄生虫であり、マネーゲームの成れの果てといえる。

・旧世代から引き継いだばかばかしい社会システムを壊すことです。
・彼らは利権を守るだけの存在になってしまっている。徳川幕府末期みたいなものです。
誰かが内部から大政奉還の声をあげなければならないのは、みんなわかっている。
でも誰も声をあげないし、決断ができない。


かさこ解説:すでに破綻している日本のムチャクチャな社会ルール。
それをあいまいのまま見過ごすことで利権をむさぼる政治家・財界・官僚。
税金の無駄遣いをしまくり、国債で借金を増やしまくり、消費税や年金保険料をアップさせるという横暴。
この末期的状況の中で、内部から大政奉還の口火を切ったのがまさに小泉総理だった。
彼こそ、この閉塞状況を打破するための第一の突破口を開いた人だった。
だから私はいろいろな問題があるにせよ、小泉総理を非常に評価しているし、
ホリエモンも小泉総理の期待に応えて、亀井というとんでもない老害の刺客になったのだろう。

それにしても民主党はホリエモン支援を執拗に批判しているが、
民主党がわんわんほえたところで、ホリエモンに選挙で勝ったのは民主党ではなく、
国民新党・亀井君だということを忘れているのだろうか。
郵政民営化に反対した亀井のバカを民主党はまるで肩を持っているようにみせてならない。

・(近鉄買収時の)オファーがなぜ門前払いされ、嫌がらせを受けるのか。
この国を悪くしている旧世代の「壁」がはっきり見えたような気がします。
やはり、僕たち世代やもっと若い世代がチャレンジしていかなければだめなのです。


かさこ解説:ホリエモンは容赦なく旧世代の「聖域」に踏み込んでいった。
プロ野球界、テレビ局、そして政界へ。
でもそれを実現するために彼は「金」という手段を選んだ。
金儲けの才覚があったからだ。
だからある意味では、彼は今回のような不祥事を起こしてしまったのかもしれない。
彼は金で社会変革をしようとした。
しかしあまりに旧世代の壁は厚かった。
だからその壁を打ち破るための大金を稼がねばならず、無理をした・・・。

私はホリエモンの志と同じくするところがあり、
この腐った社会を若い世代が変えなければならないという使命を持っているが、
「じゃあ今、政治家になれば」といわれるが、それは私はやらない。
今、政治家になったら、同じ土俵で戦わなくてはならない。
すなわち、金と権力と年功がなければ、一政治家になったところでたいしたことはできない。
あの小泉総理でさえ、時折、バカな森前総理などから文句を言われる始末なのだから。

私は社会変革をするために、ホリエモンのように金では変革しない。
今、政治家になって、金と権力にまみれて、
汚職や不正をせざるを得ないと上にいけない立場に追い込まれてしまったら、
後々、自分のまっとうな「まじめな人が損をしない社会」実現ができなくなってしまう。

だから私は作家になる。
石原慎太郎しかり、田中康夫しかり、竹中平蔵しかり。
金や権力でなく、国民人気を武器に戦わない限り、クリーンな政治改革はできないだろう。
小泉君はその意味では自民党にどっぷり浸かりながらも、
金と権力と年功だけでなく、はじめて国民人気を勝ち得た総理だったからこそ、
さまざまな圧力に屈することなく、ある程度の改革ができたのだと思う。

私はホリエモンの考えに共感するが、やり方は真似しないし、真似できない。
金がすべてという社会もすべてぶっ壊す。
しかし、15年後のかさこ内閣の大臣として、私は堀江貴文氏を入閣させることをここに表明する。
彼に入閣してもらい、法律に抜け道がないか、
建て前だけで中身がない法律になってないか、あやふやなグレーゾーンがないか、
彼の素晴らしい洞察力で、チェックしてもらい、
悪い奴らが法律を悪用できないような完璧な法律をつくるための助力をいただきたいと願う。



「夢に日付を!」渡邉美樹
★★★★★

最高の本!絶対読むべしおすすめ本。
「手帳術」なんてサブタイトルついているせいで、
「手帳ブームにのったノウハウ本かよ」と見捨てられてしまうのがもったいない。
手帳術じゃない。夢実現術だ。

ワタミの社長。
私は以前、ちらっとテレビで見た時、
社員をどなりちらしている映像で、その印象から、
ずっとこの人のことを勘違いしていたけど、
素晴らしい考えの持ち主であることがこの本でわかった。
この人はすごい。単に経営者としてだけでなく、人間として。
ぜひ政治家になってもらいないと思う。
できれば15年後のかさこ内閣で入閣して欲しい人物だ。

まず、夢に日付を!
もうこの一言で「なるほど!」とはっとさせられる。
夢を持て、やりたいことやれみたいな本がいっぱいあるけど、
「じゃあそれどうやって実現するの?」というと、
具体論がなく、だいたい抽象論や精神論になってしらけてしまう。
ところが、これはしっかり書いている。
すなわち、夢に日付を入れること。
10年後の夢だったら、じゃあそれまでに何をすべきなのか、
1年後の目標、1ヵ月後の目標、1日の目標という具合に、
スケジュールに落としていく。
それを積み重ねていけば、夢が実現できる。
なるほどの書だ。

その夢実現術の記述もさることながら、この人の考えも非常に共感できる。
ある意味では、ホリエモンに似ているところがある。
金を稼いで、それでこの矛盾したおかした社会を変えてやろう。
社会変革をビジネスというフィールドでやろうと。
彼の教育論は、私が以前に学校教育でこういうことを教えるべきだというものと、
ほとんど合致していて、彼はそれを個人で学校購入し、
「夢教育」というカリキュラムをつくって実現しているのだ。
実に素晴らしい!

ぜひこの本、おすすめですので読んでみてください。



・20代におすすめの本「渋谷ではたらく社長の告白」藤田晋著
※なんとこのつぶやきをアップしようと思った矢先に、奥菜恵と離婚!
人の幸せと思うのはいろんな価値観があるし、ビジネスはプライベートとは別だけど、
1年半で離婚するような社長の会社ってどうなんだろうって思っちゃいました。

奥菜恵の旦那さん、26歳で東証マザーズに上場したIT経営者。
どちらかというと時流に乗ったスマートなお調子者みたいなイメージがあったが、
それとはまったく違っていて、実に興味深く読めた。
最終章「ランナーズハイ」にあるように、この人はただ闇雲に突っ走っていたんだな。

福井の田舎から東京の大学に出てきたものの、何がやりたいのかわからず、
ミュージシャンの夢も諦め、麻雀がうまいことから雀荘でアルバイト。
そんなことではいけないと新たなに目標にしたのは「21世紀を代表する会社をつくること」。

そのために学生でもスーツを着てできる、元リクルート社員が独立した会社で営業を。
徹底して仕事に熱中し、営業成績は抜群。
大学卒業後は現USEN社長の宇野康秀率いるインテリジェンスに入社し、
ここでも仕事オンリーで彼女や食生活などにも目もくれず、営業成績抜群。
そこをわずか1年で退社し、何の事業をやるかも決めないまま、23歳で会社設立。

設立後もドタバタが続くが、仕事に闇雲に突っ走り、突っ走りながら行動しながら後から考えるスタイルで、
急成長を遂げる。マスコミにももてはやされ、史上最年少上場という肩書きをもらい、
わずか3年間での成長の軌跡が、バブル崩壊で一転!
手のひらを返したようなマスコミ、周囲、社員など四面楚歌状況で、
一度は会社を売ることも考えたが、なんとか立ち直り、今に至る。
単なる成功物語ではなく、どん底に落とされた経験談があることが、
社会のいい加減さを見事に描いているし、
むちゃくちゃなやり方でも成功してしまうんだなという、
とにかく行動と直感ありきのやり方に驚いてしまう。

しかもここで出会っている人はそうそうたるメンバー。
オンザエッジ時代の堀江社長。「一冊の手帳で夢はかなう」で大ブレイクしているGMOの熊谷社長。
USENの宇野社長、楽天・三木谷社長、この頃からすでに新手の総会屋・村上世彰氏との出会いなど、
今の経済ニュースを飾る早々たるメンバーの名前が出てくる。

これを読んで一番思ったこと。
これはまさに下剋上の時代だなと。

別にカネがあるわけでもないし、コネがあるわけでもない。
親が裕福なわけでもないし、有名人でもない。
しかも大学時代はどちらかというと落ちこぼれに近い、どこにでもいる若者。
それがビジネスという「遊び」「ゲーム」にとりつかれ、
いきあったりばったりながら、突き進んだ結果、
大きな挫折もあったにもかかわらず、
さまざまな運や環境や自身の能力のおかげで、
有名女優と結婚し、上場を果たすという、しかもそれがわずか5年かそこいらの短期間、
まさにスピード時代のジェットコースターのような人生で、
成り上がりの下剋上、IT時代だからこそということだ。

ほんとすごい。格好よく書かれていない。むしろ自分の無様さをさらけ出している。
でも「成功」した。
ニートやフリーターはまずこの本を読んだらいい。
ほんと久しぶりに興奮した。
誰でもやる気になればできてしまう、そんな時代なんだなと。

とってもおもしろいです。そんじょそこらの格好つけ美麗字句に彩られたサクセスストーリーではない。
今の時代のまさにリアルの下剋上。
すごい時代なんだな。
私もIT経営者になってボロモウケするか?(冗談)

・村上ファンドの研究
腐った日本社会を変革する一人の旗手だった――

ホリエモンほど人徳がないせいか、
またホリエモンほど言い逃れができない決定的インサイダーのせいか、
彼に同情する声もなく、またその後の報道も少ないが、
彼はある意味ではホリエモンと同様、
腐った日本社会に鉄槌を食らわせた改革者の側面もあったことが、
村上ファンド本を読むことで明確になった。
「村上ファンドの研究」(イーストプレス、水島愛一朗著)、
「村上世彰「私の挑戦」」(あさ出版、板垣英憲著)の2冊を読み終えたので、
本の内容を中心に彼の存在意義を考えてみたい。

ちなみに私の興味は村上ファンドがこれまで投資してきたマネーゲームの詳細にはない。
元通産官僚がなぜ官僚を辞めてまでファンドに身を投じるようになったのか。
投資ファンドを通じて彼が何をしたかったのかに興味があった。
その答えに明確に答えているのが「村上ファンドの研究」の最後の部分だ。

村上氏の本当の野望は、村上ファンドを1兆円ファンドにすることでも、
みずからが政治家として立候補することでもない。それは政党のオーナーになることだ」

村上氏の野望というか行動のモチベーションは、日本の政治を変えたいということ。
そのために経済を変えなくてはならない。
経済を変えるには企業経営を変えなければならない。
企業経営を変えるために、投資ファンドをつくり、株式の力で変える。
だから「モノいう株主」として投資ファンドを運営し、
そこで稼いだ資金を使って政党のオーナーになり、
最終的には日本の政治を変えたいと考えているというのだ。

確かに最近の村上氏は、ファンドへの出資者からのプレッシャー、
すなわち村上ファンドが評判になりすぎてしまい、
年率20%以上もの運用益をあげないといけないはめになり、
そのための行動に終始してしまったために、
本来の社会変革の目的を見失い、
マスコミでわあわあ騒ぎまくって注目を集めて株価を吊り上げるだけの、
しかもインサイダーという最低のいかさままでして、腐った野郎に堕してしまったわけだけど、
当初の彼の意図はそういうわけではなかったらしいし、
彼の行動にもそういう社会正義の実現的側面も多く見受けられる。

考えてもみれば一昔前まで、企業の株主総会といえば、
株主からの意見を受け付けないよう、株主総会をみんな同時開催し、
出席できないようにするとともに、
暴力団の総会屋を雇ってさっさと終わらせてしまうという、
とんでもないことをやっていたわけだ。
さらに、株式の持合を行うことで、株主の経営チェック機能を実質麻痺させ、
護送船団、馴れ合い、談合集団でやってきたわけだ。

そうした日本のおかしな資本市場が皮肉にもバブル崩壊のおかげで見直されることになり、
株式の持合が崩壊したところで登場してきたのが、
モノいう株主・村上ファンドだったのである。

村上ファンドが狙う企業は、現預金や不動産、株式など、
資産をたんまり保有しているくせに、それを有効活用せず、
かつそれを株主にも還元しないダメな経営者が牛耳っている企業にほぼ絞られている。
TBSや阪神電鉄というと、ライブドアや楽天などIT企業との絡みで、
まるで村上ファンドがメディアやプロ野球球団を狙っているような感じだが、
実はまったく違う。
それは売り抜けのためのプレミアムに過ぎず、
そもそもTBSも阪神電鉄も、一等地に莫大な不動産を所有しながら有効活用しておらず、
株主価値向上のために株価を上げようという努力もなく、
株価が保有資産に比べて極めて割安な企業だから狙ったに過ぎない。

マスコミはバカだからさんざん村上ファンドが経営権を握るだのなんだのって騒いだけど、
多分、彼は脅し文句として経営権を握ることをちらつかせたとしても、
実際にそんなことはせず、あくまで株主の立場で株主利益になるための施策をしろと、
迫ってそれが実現すれば売り抜けするだけが目的なのだ。

短期で売り抜けてしまうことが「知的な総会屋」だの、
「グリーンメーラー」(標的企業の株式を買い集め、
その企業や関係者に高値で買い取りを迫る買収者)との批判もあるが、
あくまで彼は現行法制に乗っ取り、大株主として経営者に経営改善を提案しているだけで、
株主の保有期限が長期でならなくてはいけないといった法律がない以上、
彼の行動に対して文句をいうのは筋が違っているのではないか。

実際、彼のおかげで配当を実施したり、遊休資産の活用をした企業もあり、
株式会社として最も当たり前のこと、すなわち株主のために利益を還元することが、
やっと日本にも浸透する契機が与えられたのだ。
その意味で彼の存在意義は非常に大きいし、
彼が逮捕されたからといって、またバブル景気に浮かれて敵対的買収阻止のため、
新たな株式持合いに走ったりする愚かな企業経営者は許されてはならないのだ。
結局、彼の存在があれだけ特異に取り上げられてしまうこと自体、
いかに日本が自由資本主義社会ではなかったかという証拠に他ならない。
結局、建て前だけが自由だの資本主義社会だのといいつつ、
実は既得権益者が裏で談合して社員やお客や国民を踏みにじる、
利権主義社会でしかなかったのだろう。

そのような意味で、村上氏がナベツネに反感を持っていることも、
非常に共感が持てる。
ナベツネのような自分の独裁によりプロ野球を意のままにしようとする既得権益者に対して、
楽天・三木谷のような腐った野郎のように擦り寄るのではなく、
真っ向から対決した姿勢はホリエモンと同様、
腐った日本社会を変革させる契機になり得る力を持っていたといえるだろう。

2冊の本はともに村上氏逮捕前に発売されていながら、
両者とも、いつか村上氏が当局から何らかの処分を受けるような事態になるのではないかということを、
再三、書いているのは実に興味深い。
結局、既得権益者にとって既存秩序を破壊する村上ファンドは、
やり過ぎると出る杭は打つぞといわんばかりの態度をとることが、
日本社会では常態化しているということだろう。
それはホリエモンの突然の逮捕劇やアイフル処分を見るように、
最近は実に顕著に現れている。

でも今まで村上ファンドがあれだけ騒いでいながら狙われなかったのは、
彼が元通産官僚で、オリックス宮内氏や今、問題になっている日銀総裁福井氏、
民主党の松井孝治参院議員など、官僚の経歴をフルに活かした、
体制側の華麗な人脈があったからだろう。
それこそがホリエモンと決定的に違うところであり、
所詮、官僚出身で体制側の人間を取り込んでいたことなどから、
ホリエモンほどの国民の共感を得ることができなかったのだろう。

ただ村上氏もホリエモンも東大出身。
村上氏は中学の頃に100万円親から渡され株式投資を叩き込まれ、
名門、灘高から東大法学部、通産官僚と、
まさに「頭の良い」「優秀な」子供だったわけで、
改めて日本の今の教育の尺度がいいのかという大問題を提示したといってもいいだろう。

マネー教育とかいって子どものうちから株式投資をさせる親とかが、
テレビとかで昨年から頻繁に紹介されていたし、
証券会社は早くから株漬けにするために「マネー教育」と称して、
子ども向けにセミナーを行ったりしているわけです。

奈良の高1放火事件をあげるまでもなく、
未だに東大を頂点とする学歴偏重・偏差値重視教育が大きな問題になっている。
中学生から株式投資を学び、東大法学部に入るような人間が、
結局は金の亡者となり、どこかで社会的使命や社会的存在意義を忘れてしまい、
インサイダーで捕まったという事実をみるに、
子どもの教育のあり方を根本的に変えなくてはならないと思うのは、私だけではあるまい。

村上氏は大阪出身の商人の息子で、やかましいほどの饒舌ぶりが、
かえって好感度を損なってしまったという面はあるにせよ、
結局、金で金を殖やす虚業でしかない金融業である以上、
自分の社会的使命より目先の利回りを達成しなくてはならず、
そのためにインサイダーまでして踏み誤ってしまった事実はあるにせよ、
だからといって彼の行動がこの逮捕によって全否定され、
またかつての腐った日本社会のように、
政治家、官僚、企業の3者による談合裏取引社会が復活してしまうことは、
なんとしてでも阻止しなければならない。

そのような意味でも、村上ファンドの存在意義は大きかったし、
外資の圧力でしか社会を変革できなかった脆弱な日本国家に、
日本人としてかように堂々と立ち向かったということは、
一定程度評価されるべきだし、彼のような存在が、
実は今もなお必要とされているのではないだろうか。





・「一冊の手帳で夢は必ずかなう」熊谷正寿著
かなり「恥ずかしい」タイトルだし、
いかにも簡単ハウツー的ないんちきくささを感じるタイトルだが、
中身は非常によかったので、ぜひ読んでみてください。

この本の要点は「やりたいことを手帳に書こう」というその一点。
自分のやりたいことが何なのかよくわからず、
ただ漠然と「今はおもしろくないけど、きっともっといいことがあるはず」という、
ありもしない桃源郷を求める若年層には非常に参考になるに違いない。

ポイントは「手書き」と「手帳」だ。
どこでもいつでも持って歩けておもいついたらすぐ書くことが大事だからこそ、
「手書き」で「手帳」でなくてはならないという趣旨は、
このデジタル時代に逆行しているように思えるが、
だからこそアナログそのものの人間にとってはアナログの効用は大きいように思う。
この手のことをデジタルでやると編集といい整理といい非常に便利なんだけど、
思いついた時にすぐできないという点もあるし、
キーボードを叩く感覚と自分の手で書く感覚とは思考幅が違うんだろうな。

まず、やりたいことを手帳に書く。
たとえば「お金が欲しい」ということだったら、
まず「お金が欲しい」と書いた後に、
「じゃあいくら欲しいのか?」を考え、金額を具体的に書き、
「いつまでに欲しいのか?」を考え、その時期を具体的に書き、
「そのお金で何が買いたいのか」を考え、具体的に欲しい物と欲しい金額を書いていく。
そういった過程を繰り返していくと、
「そんなにお金はいらないんじゃないか」とか、
「じゃあそのお金を得るためにどうしたらいいか」とか、そういった思考が働き、
やりたいことを実現するための具体的な目標ができてくる。
ようは遠い遠い壮大な「夢」を掘り下げて考えて具体的に書くことで、
夢までの道程に必要な小さな目標を列挙でき、その目標を1つ1つクリアしていくことで、
夢が実現できるというわけだ。

書くことで自分がやりたいことが何なのかが明確になるだけでなく、
「本当にそうしたいのか」とか「自分に今、何が足りないのか」とかが明確に意識化される。
漠然とした思いは絶対に実現しないが、
紙に書き、それを何度も見返すことで、思考が意識化し、
ただ漠然とした日常生活において、「夢」の実現に引っかかる出来事が、
自分のアンテナに引っかかってくるというわけだ。

あと大事なことは本音でやりたいことを何でもいいから書くことだ。
別にたいそうな夢じゃなくたっていいし、すぐに実現できそうなことでもいい。
とにかく本当に自分がやりたいと思うことを書いていく。
「女の子にもてたい」とか「楽して働きたい」とかそういう「夢」でもいいわけだ。

それでもなかなか「やりたいこと」が書けない人がいる。
決められた選択肢の中で消去法的な思考回路を受験勉強で徹底されたせいもあるだろう。
この本にはこのようなことは書いていないけど、
自分の夢を実現したある有名な格闘家にインタビューしたとき、
非常におもしろいことをいっていた。
「やりたいことってなかなか思いつかないから、
やりたくないことを書いていけばいいんですよ。
そしたら、やりたくないことをしないためには何をしたらいいかを考える。
それが結果的にやりたいことになるわけです」

本当は自分のやりたいこともわからなければ、やりたいことなど実現できるわけはないのだが、
今の若者世代にただ「やりたいことをあげろ」だとか「夢や目標を持て」とか、
「好きを仕事にしろ」とかいう、非常に理想論的な抽象論を繰り返しても、
なかなかできないわけで、そういう意味では同世代のメッセージとして、
「やりたくないことを書いていく」という逆転の発想は非常におもしろいなと思った。

自分が何をしたいか。
ぜひ一度暇なときにでも手帳を買って書き出してみたらいいと思う。
もし手に取る暇があればこの本を買って読んでみるといいと思う。



・オシムの言葉 木村元彦著
ヒデが現役引退なんて騒いでいるけど、
別にそんなのたいしたニュースじゃない。
それより何より、次の日本代表はものすごく期待できる!
オシム監督はものすごい名将だ!!!!!!!!!
日本代表を世界でサプライズさせる申し分ない実績の持ち主。
しかも彼のサッカー哲学を調べていくと、
戦犯ジーコとはまさに正反対のことをやっている。

監督経験がないジーコを監督にすえたせいで、
ある意味では中田を不完全燃焼に終わらせただけでなく、
日本サッカーを10年後退させたわけだが、
オシム監督によって日本サッカーは10年進歩するだろう。
オシム監督について書かれた本、
「オシムの言葉」(集英社インターナショナル、木村元彦著)を読んだので、
それを踏まえて、オシムを紹介しよう。

・弱小チームを常勝チームに
86年ユーゴスラビア代表監督に就任し、90年イタリアW杯でベスト8入りを果たすわけだが、
それ以外にも、ギリシアやオーストリアの弱小チームを率いて、
見事に常勝チームへと変えている。
2003年から来日し、ジェフ市原を率いてこれまた常勝チームに。
彼自身、有名クラブや大チームを率いるより、
弱いチームを強くすることが得意なようで、
有名クラブ監督のオファーはことごとく断っている。

・徹底した走るサッカー
ジーコのアホはぼやいた。
体格さだのプロ意識だの暑さだの走れないだの、
すべては自分の指導不足にもかかわらず。
オシム・サッカーは徹底して走るサッカーをさせる。
走るサッカーだからこそ、身長や体格に関係なく、
無名選手集まる弱小チームが強豪チームに早変わりする。

中田も走れないと他の選手を嘆いていたが、
そもそも走るサッカーの正しい練習や指導をジーコがしてこないから。
オシムは練習から徹底して走るサッカーを叩き込む。
その練習方法は本を読んでいただければわかるが、
練習からびっしり走ることを叩き込むから、
試合で走り負けせず、全員で守って全員で攻撃するサッカーができる。
FWも守り、DFも攻める。
走るサッカーで相手を圧倒し、数的優位を作って状況を打開する。

・チームのためにならない選手は使わない
「オシムは中田を使わないのではないか」と私は書こうと思っていたが、
中田は引退することになったのでどうでもいいが、
彼は、チームに献身的ではない選手、他の選手を活かせない選手は、
どんな素晴らしい能力があってもどんなスター選手でも、
徹底して使わない。
当たり前といえば当たり前だけど、
サッカーはチームプレー。
ロナウドのように1人で局面を打開できる、
世界に1人か2人しかいないような選手なら別だが、
そうでない限り、チームプレーができない選手は使わない。
むしろ技術がなくてもチームに献身的な選手を起用し、
これまでその起用が見事に当たって常勝チームに変えてきた。

ジーコのようにまるでサッカーを知らないファンの人気投票のごとく、
サントスだの海外組だの、知名度だけで選手を起用するバカなことは絶対にしない。
だから、むしろはじめは戸惑うかもしれない。
オシムは中田も俊輔も使わないのではないか。
名の通った選手より無名の選手を起用するため、
はじめは「なぜ●●選手を使わないのか」と批判されるかもしれないが、
オシムはスター選手だからという理由だけで使うことはしない。
どんどんいろんな選手が発掘され、オシムのもと開花するだろう。
日本代表最後のサプライズ、FW巻もその一人だが。

・若手起用、平等な選手起用
彼が監督になったチームでは徹底して世代交代を進めている。
サッカーでは当たり前の話だが、若い選手の方が先がある。
特に代表のような4年という長いスパンで考えた場合、
世代交代、若手起用は絶対条件といってもいい。

それを無視して若手をほとんど代表に呼ばず、
黄金世代にあぐらをかきながら、4年前とメンバーがほとんど変わらないのに、
海外で経験を積んだはずの黄金世代を使いながら惨敗したジーコとは、
まったくの正反対。
オシム監督就任で、次代を担う若きエースが続々と育てながら鍛えられるのではないか。

そして平等起用。
スター選手だからといってバカなジーコのようにひいき目で見ない。
サブもスタメンもなく、横一線で選手を見て、
力の出せる選手を起用する。

そして選手起用がめちゃくちゃうまいようだ。
選手の心理を考え起用するだけでなく、
選手の能力を見極め、それによってはポジションを平気で変えたりする。
複数のポジションをやらせてみたりもする。
日本代表の決定的ハンデであった選手起用面で、
世界有数の名将が采配をふるう。
しかも2003年からJリーグの監督をしており、
日本人選手をよく知っている。
これほど最適な人選は他にないだろう。

・将来の日本を見据えて日本人監督も育成!
世界の名将オシムになんくせをつける人はこの2点。
年齢が65歳と高齢であること。
日本語をしゃべれないこと。
しかしオシムは外国人コーチをつけようとした、
将来の日本サッカーを考えず、監督経験のないジーコを指名した、
サッカー界永久追放すべき川淵三郎率いるサッカー協会の言葉をくつがえし、
自ら代表監督の就任条件をこう提示したのだ。

「2年契約に2年のオプションを付ける形がいい。
協会が自分の仕事に満足するか分からないし、そちらの方がお互いにとっていい」
と長期保証を断り、まずは最初の2年間に全力を注ぐ。
さらにスタッフについては
「日本人のアシスタントコーチをつけてほしい。
そろそろ日本人が監督をやる時期がきているから」
と日本人代表監督の育成を見据えて、日本人コーチの入閣を要望した。

ほんと素晴らしいですよ、この監督!
本来はこういう配慮をサッカー協会でやるべきなのに、
アホなサッカー協会は名のある外国人監督頼みしかできないから、
まさにその姿勢を批判するがごとく、
日本の将来を考え、自分の高齢をも考えた、
自分に不利になっても、日本サッカーの将来のためになる要望をするという、
この素晴らしさ。
ほんと、戦術面とかだけでなく人格面でも素晴らしい。

ちなみにオシム監督はサラエボ生まれのため、
ユーゴ内戦でさまざまな苦難をくぐりぬけてきた苦労人でもある。
祖国分裂で人種別に選手を使えといった、非合理な批判に耐え抜き、
妻と子が戦火のサラエボにいたため、
生死が定かですらない大変な時期に、
家族との葛藤に揺れながらも監督を率いた精神力。
そういう面でも非常に素晴らしい人だ。

ちなみに彼は数学もよくでき数学教授になる話もあったが、
サッカー選手の道を選んだというほど。
日本代表はこの上のない強力助っ人を監督にすえた。
これで、後に「失われた4年、暗黒ジーコ・川淵ジャパン時代」と呼ばれる、
愚かな時期を取り戻し、日本人のために、
強い日本代表を作り上げてくれることだろう。
これからの4年が実に楽しみだ。
ジーコのクソ4年間をこれで一挙に取り戻せるぞ!!



・「プロ論。」 B-ing編集部 徳間書店
転職雑誌B-ingの巻頭インタビュー50人を集めたもので、
非常に読み応えがありいい企画本だと思う。
この手の本のために取材しようとするとすごい金がかかってしまうが、
1週間でなくなってしまう使い捨ての雑誌にある、
せっかくの巻頭特集記事をこのように再利用してまとめてみると、非常によい本になる。
この手法は他の雑誌やPR誌なんかでも使えるし、読者もありがたい本だと思う。

下記は私が読んでいいなと思った「プロ論」からの引用です。
抜き出しただけなので、ぜひ本を買って、前後を読んでみると、よりぐっとくると思います。
旬の人がいっぱいいるし、一人一人のインタビュー記事が短いので読みやすいです。
ぜひおすすめしたい一冊です。



・人が最も成長するのは、危機的状況にあるときでしょう。
危機的な状況にあるときにこそ、その人の本質が見えるものです。
・一般に部署を枠を超えてほかの人と関わろうとしない。
ここが日本のビジネスパーソンの弱点だと思います。

ーカルロス・ゴーン

・これから世の中の仕組みは大きく変わっていきます。
序列や構造も一挙に変わる。変わることには、もう間違いありません。
問題は、いつ変化がくるのか、それだけです。
・「オレはデフレでも稼げる」「不景気でも結果が出せる」というのがプロの経営者でしょう。
・だれからも愛されたいなんて八方美人な会社ではなく、
ポリシーがきちんとある企業は業績を伸ばすはずです。
・厳しさをポジティブにとらえ、いかに切り抜けるかを考える。

ー木村剛

・ITは、考えつく限りの社会のシステムを変える潜在力を持っています。
・これから何が起きるかというと、転職経験がないことがリスクになるんです。
だって、変化への対応力を知らない人は怖いもの。

ー成毛眞

・最悪なのは、何かにしがみついたりして、他力本願で今を我慢してしまうことです。
・自分たちのためだけの仕事では、たとえ成功しても小さな勝ち方しかできないんです。
たくさんの人のための仕事だからこそ大きな成功が待っている。

ー藤巻幸夫

・みんなが危ないと言っていることこそ、実は危なくなかったりするんじゃないかと。
・今後10年ぐらいで、会社員と自営業の境目はなくなると私は考えている。

ー堀紘一

・本当はこれをやりたいけど、とりあえず別のことをやろう。そんな思いは毛頭なかった。
・そもそも付加価値をほとんど生まない、いわば虚業である金融機関で、
日本では本当に大勢の人材が働き、高コストのサービスを無理矢理に提案している。
この状況が異常なんです。

ー松本大

・一言でいうと、世代間抗争の時代だと思っています。
・(世代間抗争のフラストレーションが会社内に)あったら、
ビジネスのスピードは落ちていくし、何より仕事をつまらなくする。

ー三木谷浩史

・当たり前の発想を当たり前に実行すること
ー宮内義彦

・自分で商売をしているという感覚で仕事をしている流通業の人が、
果たして日本にどのぐらいいるか、疑問に思いますね。
・私は、全社員に「自営業者になりなさい」と言っています。
どんな人を採用したいかと問われれば、将来、経営者になりたい人と答えます。

ー柳井正

・将来の姿をできるだけ具体的に映像化してみるべきだと思っています。
そうすれば、その姿と今の自分とのギャップがはっきりします。
今、やらなければならないことが、明確になってきます。
・目標をきちんと定めてベクトルを向けていると、チャンスはやってくるものなんですね。

ー小谷真生子

・日本人としての基礎ができていなければ、国際人になどなれないのです。
ー櫻井よしこ

・本当は何が好きなのか。何が得意なのか。
好きなことなら、いくらでも努力ができます。
すると、結果がついてくる。

ー中村修二

・こだわりが半端だから、ビジネスにならないんです。
ー古舘伊知郎

・努力をしないで夢を見てはいけない。
ー横山秀夫

・何をもらえるか、ではなく、何を与えられるかを考えるべきなんです。
・目標や理念を持っていると、行動が変わるんです。

ー北川正恭

・「今の大会社に行こうと思うな」「未来の大会社に行きなさい」と言っていたのです。
・人生を短く感じられるような仕事を選ぶことです。
・お金がたくさんあったからって、必ずしも幸せになれるわけではない。
普通の人が1万円の買い物で味わえる楽しさを、お金持ちは1万円では味わえないんです。

ー邱永漢

・必要とされる人間になるために常に修業するんだという意識を持たないといけない。
ー佐々淳行

・好きなことをやるために金を出すのが趣味という。
好きなことをやってお金をもらうのをプロという。

ー田原総一朗

・何が欲しいのかではなく、何を捨てられるのかを考えてみるといいと思います。
捨てられるものの順番をじっくり考えるんです。
何を捨てられるかは、実は幸福感の基準だったりするからです。

ー糸井重里

・若い人はとても傷つきやすいですね。
・今やるべきだと思ったこと、今やれることを自分から進んでやってみることが私は大事だと思います。

ー香山リカ

・毎日「いつ終わるか」だけを考えているような仕事では、面白くない
・こんな時代だからこそ、自分で今を悔いなく過ごすことが大切になってきていると思うんです。

ー平尾誠二

・若い人は、ああすればこうなると、固定化された図式にすぐに当てはめたがる。
・自分が変われば、世界も変わることに気づいていない。

ー養老孟司

・問題は、やるかやらないかなんです。ここが運命の分かれ道。
実行に移す人は、案外少ないんですよ。

ー秋元康

・20代は、失敗してもいいから、やってみたいと思うことをとにかくやろうと思っていました。
日本は豊かですから簡単に飢え死にしたりしない。
・世の中に、何もしたくない人はいないはずです。
やりたいこと、好きなことはきっとある。
それを素直に、仕事選びのヒントにすればいいと思うんです。

ー安西水丸

・ずばり「やらされてるか、自らやっているか」という意識の違いだと僕は思っています。
・来ない大チャンスを待ち、目の前にある本当のチャンスを見過ごしてしまっている人のいかに多いことか。

ーおちまさと

クリエイティブは、多くの人が関われば関わるほど、とんがった部分が減ってしまうんです。
少ない人数のほうが、シャープでエッジが立ったことがやりやすい。

ー佐藤可士和

・人間、本当に思ってたらその通りになるんです。
思ってるようにならないのは、それは本当に思ってないからです。

ー井筒和幸

・自分に必要のないものを、どれだけ捨てられるか。
今は、それが問われる時代でもあるんです。

ー金子勝

・目指すものを数値化したり、ビジュアル化しました。
ー清宮克幸

・優れたビジネスパーソンになるために、特に若い世代は、どんな意識を持つべきか。
ひとつは、スピードを意識することです。仕事ができる人は、仕事が速いものです。
2つ目は、とにかく仕事量をこなすことです。どんな仕事でも、絶対に断らない。
3つ目は、読書をすることです。思考能力は、読書によって鍛えられるんです。

ー齋藤孝

・そもそも自分でイメージできない夢が現実化するはずはないんです。
ー鈴木光司

・自分のためでなく、だれかのために働いたこと
ー高橋がなり

・強烈なプラス思考の回路を持つ人は強い
ー高橋源一郎

・行動を起こすから、その先に何かが生まれるんです。
変化は突然にやってきません。小さな努力の積み重ねから生まれるものなんです。

ー野口健

・世の中には、「面白い仕事をしてお金をもらうなんてぜいだくだ」という人もいます。
でも、僕は違うと思う。だれもが面白い仕事をするべきです。

ー藤子不二雄A

・置かれている環境と自分とがマッチングしているかどうかが、
成果を出すうえで最も重要なポイントだと思っています。

ー乙武洋匡

・やりたいことと、できること、両方を見極めていかなきゃだめだと思うんですよ。
・だれかのせいにしているうちは、何も変わらない。戦わないと何も勝ち取れない。

ー北村龍平

・何より重要なのは、何を表現したいのか、つまり、自分がどうしたいのかということ
・技術を学んで器用に描かれているけれど、何を伝えたいのか分からない絵よりも、
絵は上手に描けていないけど、伝えたいことのある絵のほうが説得力がある。
伝えたいという思いがあることのほうが大切なんです。
・何よりやってはいけないのは、つまらないと思いながら仕事をすることです。

ー日比野克彦

・自己主張はできても、相手を思いやれない。
偉くはなりたいけど、責任は負いたくない。
口ばかりで行動を伴わない。隣の芝生ばっかり青く見えちゃう。

ー和田アキ子

「サンクチュアリ」高橋歩
★★★★

ムチャクチャだけど、実際に夢を実現してしまった実話だけに、実におもしろい。
自分の自伝を出したいから自分で出版社を立ち上げ、本をつくったものの、
まったく売れず、借金がふくらんでいくばかりだったが、
何作目かが大ヒットを飛ばし、その後の本も飛ぶように売れ、
ある種の社会現象を巻き起こした、ある意味では「ベンチャー」企業先駆けのような物語。

しかし、この人のいいところは力が抜けていること。
今のベンチャー企業は、とにかく天井知らずのマネー至上主義だが、
(資本主義社会における株式会社としては当然なのだが)
この人は出版で成功したのに、会社を離れてしまい、
世界放浪に奥さんと2年間出て、その後は沖縄に移住するという、
従来の価値観にとらわれない、単なる資本主義の成功者ではない、
貧乏だろうがビジネスが成功して金持ちになろうが、
そんなの関係ない、生き方の成功者をめざしているところが、
この人のある意味では時代の先見性を感じるところだ。

ただ全体的にさらっと書いてあるので、私としては、
出版立ち上げとかまったく売れない時代、
さらにはなぜそれが突然売れるようになったのか、
もっと詳しく書いてほしいなと思うのだが、
まあ、それを書かないのがこの人らしい本なのだろうけど。

村上ファンドの研究 水島愛一朗
偏差値55
阪神電鉄株をめぐる動きの傾注しすぎ。
本書のタイトル通り、今、騒がれていて、
ニュースでも情報がとってこれるようなことではなく、
過去の村上ファンドの動きを知りたいから買っているわけで、
その辺を勘違いしている。

ただ最後、村上氏がめざしている最終野望を解き明かしているのは非常に興味深い。
日本の政治を変えたい。
企業オーナーになったところで政治は変えられない。
球団オーナーなんかに興味もない。
政党オーナーになれば政治を変えられる。
そのために今、巨額資金を稼いでいると。


村上世彰「私の挑戦」 板垣英憲
偏差値50
村上氏の話が読みたいから買っているのに、
ホリエモンとニッポン放送株騒動の解説とかがあまりにも長すぎる。
きちんと本書のタイトル通りの中身に注力してほしい。