冬のシルクロード 「冬のシルクロード」の写真のリンク
  
・1999年12月15日・29日目・トルコ
朝、6:30。トルコ・イスタンブ−ル到着。イスタンブ−ルに来るのは3回目。縁のある場所だ。
飛行機でたったの2時間乗っただけで、町の雰囲気が劇的に変わる。
中央アジア的匂いは消え、完全にヨ−ロッパ的雰囲気になっている。
できれば陸路づたいで行き、国と国との連続性を感じながら旅をしたかった。

空港からバスに乗ると、僕は真っ先にトプカプ宮殿をめざした。
トプカプ宮殿から眺めるボスフォラス海峡の景色が最高だったからだ。
アジアとヨ−ロッパを分かつ東西要衝の地、イスタンブ−ルを感じれる場所だ。
トプカプ宮殿の開園9時まで待って入る。
宮殿内に飾られている宝石・貴金属の類を一切見ずに、海峡の見える場所をめざす。

そしてついに旅のゴ−ル、ボスフォラス海峡を望む地点へと辿り着く。
思ったより感慨がなかった。飛行機であっさり来てしまったからだろうか。
もう旅はこれで終わってしまうという悲しさからなのか。
それでも海峡の美しさには変わりなかった。
「美しきイスタンブール、悲しみのボスフォラス」と僕はつぶやき、すぐにその場を立ち去った。

これからどうしようか?マックに入って作戦を練る。まだ年内まで2週間近くある。金もまだ余っている。
ギリシアにバスに乗っていこうか。それとも1週間ぐらいイギリスで観光して日本に帰ろうか。
それともどこか寄り道できる適当な国はあるだろうか。

ギリシアもイギリスも行きたかったが、この旅の延長線上でするべきではないような気がした。
きっとどこに行っても違和感を感じるに違いない。
日本に帰ろう。余った金ですぐ引っ越ししよう。
旅行会社で格安チケットを探し、ドイツ・フランクフルト経由で456ドルのチケットを買う。
出発は明日。日本行きのチケットを手にして、これで僕の放縦の旅が終わるのだなと思った。
帰ったらやることはいっぱい。忙しくなるぞと、旅の終わりの哀しさより未来への希望が湧き上がってきた。

・1999年12月16日・30日目・トルコ
朝3:30、ホテルを出発。イスタンブールの空港4:00着。
搭乗手続きをして、6:00フライト。
ドイツ・フランクフルト空港に8:30着。

成田行きフライトの乗り継ぎまで5時間あるが、フランクフルトの町で特に見るべきものもなく、
空港から町まで出るのに時間がかかるので、空港で待つことにした。
フランクフルトにせっかっく来たのだからと、空港でフランクフルトを食べる。
フランクフルトで食べるフランクフルトはうまかったな。

13:30、フランクフルト空港出発。
この飛行機に乗ってしまえば、もう日本に到着する。
この前のアジア90日間の旅を終えて日本に帰るほど、感慨深いものはないが、
それでも今度こそ旅が終わって、また働かなくっちゃなという様々な思いを飛行機の中で巡らしていた。